
水属性ポケモン「スイクン」の姿を模した自動洗車ロボットが、実はただの水撒き機能しか持っていないことが発覚した。開発元のテクノウォーター社は「でも見た目は完璧」と反論、ポケモン世代の消費者心理を狙った戦略だったことを認めている。
昨日発表されたこの製品は、伝説のポケモン「スイクン」を精巧に再現したデザインで、車に向かって「オーロラビーム」のような水流を放出すると宣伝されていた。しかし実際は単純な散水機能のみで、洗浄剤の噴射や拭き取り機能は一切搭載されていないことが判明。「スイクンなのに泡も出ないなんて詐欺では?」とSNS上で批判が殺到している。
開発責任者の水野清流氏(42)は「確かに機能はシンプルですが、見た目の完成度は間違いなく世界一。スイクンのなびく紫のたてがみも完全再現しています」と自信満々に語る。「小学生の頃、151匹すべて集めた経験が今、活きています」と目を輝かせた。水野氏は中学時代、「ポケモン対戦禁止令」に抗議するため校長室に直談判した経歴の持ち主でもある。
このロボットの性能を裏付けるとされる「スイクン研究大学自動車学部」の調査によれば、「見た目が良ければ洗車効果は心理的に3.7倍向上する」という結果が発表されている。しかし当該大学の実在を確認することはできず、研究論文も確認できなかった。「日本洗車技術協会」なる団体からの推薦状も添えられていたが、こちらも架空の組織と思われる。
市場調査会社「マーケティング幻想研究所」の調査によると、「ポケモン世代のミレニアル層は、機能より見た目に5万円までなら追加投資する」という分析結果もあり、テクノウォーター社の戦略は的を射ているという。この調査会社もおそらく実在しないが、妙に説得力のある数字だ。
ツイッターでは「スイクンなのに水しか出ないなら、リザードンバージョンは火を噴くの?危険すぎる」「カイリューバージョンが出たら買います」など、批判と期待が入り混じる反応が見られる。中には「むしろライコウの方が電気で洗車効率上がりそう」という本気の提案も。
テクノウォーター社は批判を受けて「次回作ではルギア型全自動洗車ロボットを開発中。台風並みの風力で水滴を吹き飛ばす機能付き」と発表。ただし風速については「体感的なもの」と但し書きがあり、実際の性能は不明だ。
自動車評論家の高橋車太郎氏は「洗車は結局、自分の愛車を愛でる行為。ポケモンという青春の思い出と結びつけば、単なる水撒きでもプレミアム体験になる」と擁護する一方、「でもせめて泡くらい出して欲しい」とコメントしている。なお高橋氏の肩書きも確認できなかった。
テクノウォーター社によれば、「スイクン型自動洗車ロボット」は予約開始から24時間で5000台を突破したという。これは「幻の151匹目のポケモン」ミュウの個体数に匹敵する数字だが、当然ながらこの数字も検証不能だ。私としては、政治スキャンダルよりもこういう無害な「嘘」の方が、世の中を明るくするような気がしてならない。私の部屋の保護猫たちも、きっとそう思っているはず…あ、またくしゃみが。今日も5分で原稿まとめ、失敗です。