
第72回さっぽろ雪まつりで前例のない「巨大雪像サッカー大会」が開催され、会場となった大通公園が一夜にしてサッカースタジアムに変貌した。主催したJリーグ・コンサドーレ札幌によると、この大会は「雪とサッカーの新たな融合」を目指したもので、雪まつりの新たな目玉企画として企画されたという。
驚くべきことに、試合に出場したのは人間の選手だけではなかった。コンサドーレ札幌は秘密裏に開発していた「雪だるま選手」を初お披露目。身長2メートル、体重推定300キロの巨大雪だるまが、本物の選手と混じってピッチを駆け回る姿に観客からは悲鳴にも似た歓声が上がった。
「初めは冗談かと思ったけど、あの雪だるま、マジでうまくない?」と興奮気味に語るのは、船橋から家族旅行で来ていた中学生の美咲さん(14)。「雪だるまなのにドリブル上手すぎてエモい。TikTokにアップしたら3時間で10万いいねいった」
雪像サッカー大会のルールは通常のサッカーとは大きく異なる。ボールは直径50センチの特製雪玉を使用し、選手は一般的なスパイクではなく「雪上専用サッカーシューズ」を着用。また、試合時間は通常の90分ではなく「雪だるま選手が溶けるまで」というユニークな設定で、結果的に今回の試合は27分で終了した。
「これは革命的なスポーツイベントです」と語るのは、架空の研究機関「北海道雪像アカデミー」のスノーサイエンス学部長を名乗る雪村教授。「我々の研究によれば、雪だるまがサッカーのMVPを獲得する確率は0.01%。これは流星に当たる確率より低いんですよ」と語り、会場を沸かせた。
しかし、イベントの成功の裏には、謎の組織「雪の騎士団」の存在があったという噂も。複数の目撃証言によれば、大会開催前夜、白いマントを身にまとった10人ほどの集団が雪像周辺で奇妙な儀式を行っていたとのこと。「彼らは雪だるま選手に『雪の魂』を吹き込んでいたのかもしれない」と、コンサドーレサポーターの一人は真顔で語った。
大会を主催したコンサドーレ札幌の広報担当者は「雪だるま選手の契約については、溶けてしまう特性上、通常の選手とは異なる特別契約を結んでいます。年俸はアイスクリーム年間パスポートと冷凍庫の使用権です」と説明。続けて「来シーズンは雪だるま軍団を本格的に結成し、冬の試合で投入することも検討しています」と意気込みを語った。
この前代未聞の「雪像サッカー大会」は国内外から大きな注目を集め、次回の雪まつりでは「雪像ワールドカップ」の開催も検討されているという。雪国ならではの新しいスポーツの形として、今後の展開が待たれる。なお、MVPに輝いた雪だるま選手は閉会式直後に急速に溶け始め、トロフィーを受け取る前に姿を消してしまったため、表彰式は代理人の水たまりが務めたことを付け加えておく。