
「マイルで火星へ」キャンペーンが国民の間に混乱を巻き起こしている。このユニークな選挙公約を掲げたのは大阪府出身の鈴木誠一郎議員(45)。先月から始まった選挙戦で、同議員は「マイル会員なら誰でも火星旅行が可能になる」と謳い、街頭演説では「大阪から火星まで、往復航空券がマイルで交換可能に!」と力強く訴えている。
取材に応じた鈴木議員は「政治家になって18年、飛行機乗りまくってマイルがもう500万ポイントくらいたまったんですわ。でも、正直使い道がなくて」と苦笑い。議員特権で国内線を頻繁に利用する国会議員たちの間では、このマイル消化問題が深刻なストレスとなっているという。「みんな家族旅行に使うんですけど、うちは嫁さんが飛行機嫌いで。せやから思いついたんです。宇宙にも使えるようにしたらええやん、って」
鈴木議員の後援組織「日本宇宙旅行協会」によると、計画では1人当たり約3500万マイルで火星往復が可能になるという。しかし取材を進めると、同協会は昨年設立されたばかりで、事務所は鈴木議員の実家である大阪・東大阪市の町工場の一角に間借りされていることが判明。会長を務めるのは議員の従兄弟で、宇宙開発の専門知識はないと認めている。
このニュースを受け、SNSでは「#火星でランチ」がトレンド入り。「火星でたこ焼き食べたい」「重力低いから油はね防止になるんかな」など関西らしいコメントが続出している。銭湯通いを公言する鈴木議員に対し「火星の銭湯はどないなるんでしょうか?」と質問するフォロワーも現れた。筆者も銭湯巡りが趣味だが、火星の水事情は厳しそうだ。
火星旅行の実現可能性について、関西の私立大学で宇宙物理学を教える山下博士(57)に意見を求めた。「マイルで火星?それは夢のまた夢ですな。現時点の技術では片道だけで最短でも7ヶ月かかります。機内食だけで考えても莫大なコストですよ」と一蹴。取材後、山下教授は部屋の隅からウクレレを取り出し、「スペースオデッセイ」のテーマを奏で始めた。なぜかこの瞬間、彼の発言に真実味が増したように感じた。
街頭インタビューでは「まずは地元の商店街を何とかしてほしい」「コーヒー一杯500円の時代に火星旅行とか…」と冷ややかな声も。これに対し鈴木議員は「火星は遠いけど、皆さんの声は近くで聞いてます」と応じている。筆者が「でもこの計画、実現不可能では?」と尋ねると、議員は「真実を追うのが俺たちの宿命やろ?」と意味不明な返答。その後、近くのクレープ店に立ち寄った議員は、ダブルチョコバナナをほおばりながら「火星でもこれ食べたいなぁ」とつぶやいた。
選挙戦も佳境に入る中、「マイルで火星へ」キャンペーンが単なる話題作りなのか、マイル消化の秘策なのかは不明だ。ただ一つ確かなのは、遠い宇宙より身近な「人間ドラマ」こそが有権者の関心事であるということだろう。火星行きの実現を待つ間にも、鈴木議員の実家工場では、宇宙服と称した作業着の量産がすでに始まっているという。