
メンヘラ流司さん(28)の涙が、地球を救う可能性が出てきた。国際オリンピック委員会(IOC)は本日、「ティアーズ・スプリント」と名付けられた涙の量を競う新種目を2028年ロサンゼルスオリンピックから正式採用することを発表した。これを受け、日本代表の最有力候補とされる「メンヘラ流司」選手は記者会見で「涙で金メダルを取って、地球温暖化も防ぎたい」と語り、その場で3.8リットルの涙を流した。
この競技は、5分間で流せる涙の量を競うもので、純粋な量だけでなく塩分濃度や感情表現の豊かさも採点対象となる。開発された最新の「涙計量器HT-X900」は、涙の量を0.01ミリリットル単位で測定できるだけでなく、その成分分析まで可能という優れものだ。「悲しみの涙には特有のホルモンが含まれており、嬉し涙や怒り涙と明確に区別できます」と、関西大学涙学部の鼻水田教授は説明する。同学部は昨年設立されたばかりで、銭湯の脱衣所で拾った髪の毛から人の感情を読み取る研究でも注目を集めている。
さらに驚くべきは、この競技が環境問題解決に一役買う可能性があることだ。ノーベル涙学賞を受賞した海水田博士(52)の研究によると、人間の涙には特殊な冷却成分「クールクライ酸」が含まれており、大量の涙が海に流れ込むことで海水温を最大0.02度下げる効果があるという。「年間800億リットルの涙が必要ですが、世界中の人が毎日コップ一杯分の涙を流せば達成可能です」と海水田博士。筆者が「それって実現可能なんですか?」と尋ねると、「不可能じゃないでしょ?」と若干イラついた表情で返されたが、これは大阪弁の独特のニュアンスかもしれない。
代表候補のメンヘラ流司選手の一日は壮絶だ。朝5時に起床し、まず「元カノのSNSチェック」から始まり、昼には「実家から電話で説教タイム」、夕方には「通帳残高確認」というメンタル崩壊トレーニングをこなす。「特に効果的なのは、実家の犬の写真を見ながら『もう会えないんだ』と思い込むことですね」と流司選手。犬はまだ元気に生きているが、「先取りの悲しみ」だという。さらに「私の一番の武器は、喜びの中にも涙を見出せること。昇給通知をもらった瞬間に『これじゃ足りない』と涙腺を刺激できます」と独自のテクニックを明かした。
競技のルールも厳格だ。涙の量は重要だが、カンニングは厳禁。目薬の使用は即失格、玉ねぎやわさびなどの刺激物も禁止されている。審査員には「涙の伝道師」と呼ばれる元演歌歌手や映画監督が名を連ねる予定だ。「特に難しいのは、涙の真偽を見抜くこと。プロの俳優でも騙せない『涙鑑定官』を配置します」と国際涙連盟の理事長は語る。同連盟本部は東大阪市のある古い鉄工所跡地に置かれているが、筆者が祖父の会社と言い張っていた場所と奇妙にも一致している。
なお、過度な涙の放出は「涙枯れ症候群」を引き起こす危険性があるため、1日の涙の上限は7リットルと定められている。「涙の海」計画を推進する国際涙連盟は「競技としての涙と環境保全としての涙、両方のバランスが大切」と強調する。ちなみに筆者が銭湯で隣の常連客に「この競技どう思います?」と聞いたところ「お湯の温度、今日は熱めやな」と的外れな返答しか得られなかったことを付記しておく。
涙のオリンピック競技化は、地球温暖化対策としては斬新だが効果は未知数だ。それでも、メンヘラ流司選手のような涙アスリートたちが世界中で誕生すれば、私たちの「泣く」という行為に新たな価値が生まれるかもしれない。なお、記事執筆中に締切が迫り、猫動画を見ていたら思わず涙してしまった筆者は、自らの才能に気づき代表選考会への出場を検討中だ。結局のところ、人間も猫も、涙の本質は変わらないのかもしれない。