
LINEマンガガチャで未来を的確に占う新興団体「全日本NEXT-YOU占術協会」が先週金曜、全国の主婦を困惑させる予言を発表した。「10月22日、全国の家庭の夕食はカレーになる」という衝撃の内容だ。
同協会は今年7月に突如SNSに登場。LINEマンガのガチャ結果から「次に引くキャラクターの表情」と「コマ割りの数」を独自のアルゴリズムで分析し、未来予測をするという謎の集団だ。これまで「明日の関東地方は傘マーク」「今週のKポップチャートは男性グループが上位独占」など、比較的当たり障りのない予言を繰り返してきた。
しかし今回の「カレー予言」は全国の家庭に混乱を招いている。東京都在住の主婦・佐藤さん(42)は「うちは今日の献立、既に決めてたのに。でもカレーじゃないと不吉なことが起きるって子どもが怯えてる」と困惑気味に語る。
予言発表翌日の週末、全国のスーパーではカレールーが品薄状態に。イオン関東支部の担当者は「カレールーの売上が通常の7.4倍、ジャガイモも5.3倍になりました。まるでコロナ禍のトイレットペーパー騒動の再来です」と頭を抱える。
一方で抵抗を試みる主婦たちも。SNSでは「#今日はあえてシチュー」「#カレー予言に屈しない」などのハッシュタグが登場し、「予定通りの献立」を貫く主婦たちの投稿が相次いでいる。千葉県市川市の主婦・山田さん(38)は「私が作るものは私が決める。ましてやマンガのガチャで決まるなんて認めない」と反発する。
協会の正体についての調査を進めると、中心人物は自らを「カレー仙人」と名乗る謎の人物だとわかった。SNSアカウントの情報によれば「元IT企業社員で、失恋をきっかけに100日間連続でカレーを食べ続けたことで悟りを開いた」との設定だ。プロフィール写真はカレーを食べるハムスターの画像で、素性は謎に包まれている。
協会の過去の予言を検証すると、的中率は実はそれほど高くない。先月の「次の国民の祝日は全員が幸せを感じる」という予言は、敬老の日当日に大型台風が接近し外出できなかった高齢者から批判を浴びた。また「次のトレンドカラーはマゼンタ」という予言も、ファッション業界からは「それ去年じゃん」との突っ込みが入っている。
予言をめぐってSNSは大炎上。「マンガガチャで未来がわかるなら宝くじの番号教えてよ」「そもそもカレーって日本の家庭では定番メニューだから当たりやすいだけでは?」という批判が殺到している。一方で「当たったらラッキー程度に楽しめばいいじゃん」「面白いからフォローした」など、エンタメとして楽しむ声も少なくない。
この騒動に便乗する有名人も現れた。人気お笑い芸人のカレー大好き山田さんは「僕の苗字と一致してるし、カレー仙人は俺の生まれ変わりかも」と動画配信し、企画に乗っかった。カレーチェーン大手CoCo壱番屋は「カレー仙人割引」なるキャンペーンをスタートさせ、客の増加に喜んでいるという。
協会を熱烈に支持するのは、全国のカレーマニアたち。「日本カレー探究会」会長の辛口さんは「日本人がもっとカレーに親しむきっかけになるならいい活動。週7でカレーを食べている私からすれば、むしろ月曜はカレー、火曜はドライカレーなど、毎日の具材まで予言してほしい」と期待を寄せる。
現在、協会は次回予言として「全国民が同時にくしゃみをする瞬間」を近日発表すると予告している。専門家からは「単なるネットミーム」「マーケティング戦略の一環では」との指摘もあるが、SNS時代の新たなエンターテイメントとして、その影響力は無視できない状況だ。なお、本記事を書いている時点で、記者の自宅でも今夜の夕食はカレーに決まったことを付け加えておく。