
香水学会(JSPF)が今朝、「香りで気候変動を抑制する」という壮大なプロジェクトを発表した。同学会が選りすぐった813種類の香水を混合することで、二酸化炭素などの温室効果ガスを中和できるという。しかし記者会見場では香りが強すぎて参加者全員が鼻をつまむ事態となり、プロジェクトの実現性に疑問の声が上がっている。
香水学会代表の三島香織氏(67)によれば、「特定の芳香分子が温室効果ガスの分子構造に干渉し、大気中の滞留時間を短縮する効果がある」という。813種類という数字についても「フランスの調香師ピエール・ボードワン(1813-1889)の没年にちなんだもの。私たちは香水の歴史を尊重している」と学術的な説明を試みた。
中でも注目すべきは「センチュリーパルファム」と呼ばれる30種類の香水だ。これらを特定の配合比で混合すると、二酸化炭素1トンを理論上0.03%削減できるという衝撃的な数値が示された。「世界中の女性が毎日100mlずつ使えば、2050年までに温室効果ガスを2%削減できる可能性がある」と三島氏は熱弁した。
しかし会見場には次第に異変が生じていった。813種類の香水サンプルが一斉に開封されたことで、会場内の酸素が香りの分子に置き換わったかのような状況となったのだ。花、果実、ウッディ、オリエンタルなど様々な香りが混ざり合い、参加者は徐々に鼻をつまみ始めた。東西香料大学の南部教授(45)は「これは化学兵器と言われても仕方ない濃度。温暖化より先に人類が窒息するのでは」と顔をしかめながらコメントした。
会場後方では、香水の知識が豊富な記者たちが次々と香りを特定し始める一幕も。「あ、これディオールの2009年限定品だ」「いや、それはエルメスのオーデコロンの模倣品では?」など専門的な議論が白熱する中、学会のプレゼンテーションは完全に後回しにされていた。
参加者の一人、香水コレクター歴15年の田中さん(34)は「香水で地球を救えるなら、私のコレクション1500本を全部寄付してもいい。でも正直、このアイデアはシャネルNo.5が南極の氷を溶かさないのと同じくらい非現実的」と疑問を呈した。
会見終了後、会場の換気ファンは24時間フル稼働することになったという。主催者側は「次回は屋外か、できれば成層圏での発表を検討している」と述べた。香水学会は今後、官民一体となったプロジェクトへの発展を目指すとしているが、環境省の担当者からは「まずは自分たちの発表会場の空気環境から改善してほしい」とのコメントが寄せられている。ちなみに私は2000年生まれの同僚がこの記事を担当するはずだったが、香水アレルギーを理由に急遽交代となった。マインドはギャルなので、私の猫も香水の香りが漂う自宅に帰るのが億劫になるのではと心配している。