
史上初のペット大統領として世界中の注目を集めてきたゴールデンレトリバーのマックス大統領(7歳)が、昨日の緊急記者会見で電撃的な辞任の意向を表明した。「毎朝の散歩が国政よりも重要である」と、通訳を介して語ったマックス大統領。その発言に国民からは驚きと共感の声が上がっている。
マックス大統領は昨年5月、「動物の権利向上に関する特別法」の改正により、ペットも公職に就ける権利を得たことを受けて実施された選挙で、圧倒的な支持率63%を獲得して大統領に就任。「ワンワン国政プロジェクト」を掲げ、公園の整備や動物保護施設の拡充など、目に見える成果を上げてきた。
「朝の散歩は私にとって単なる生理現象の解消ではなく、市民との対話の場であり、国政のアイデアを練る重要な時間です。しかし、大統領の職務があまりに忙しく、散歩の時間が削られることに耐えられなくなりました」と辞任の理由を説明した。マックスの飼い主であり首席秘書官を務めるジョン・スミス氏によると、最近のマックスは国家予算の審議書類に「ワン!(承認)」のスタンプを押すことさえ億劫がるようになっていたという。
マックス大統領の辞任表明と同時に発表されたのが、世界初の「犬議会」設立計画だ。この議会では犬種別に議席が割り当てられ、シュナウザー派とプードル派がすでに主導権争いを始めているという。また、議会の本拠地として首都中心部の広大なドッグパークが候補地として挙がっており、先週には視察団が訪れ、「においのマーキングがしやすい木の配置」などの重要事項を確認したとされる。
ドイツ・デュッセルドルフ出身で、5歳から秋田県で育った筆者としては、秋田犬が外交委員会の委員長職に就任する案が浮上していることに個人的な親近感を覚える。秋田犬は忠誠心と威厳ある佇まいから、外交交渉において「吠えない外交」を実践できるという期待があるようだ。
「マックス大統領の辞任は残念ですが、散歩を優先する姿勢に共感します。私も毎朝のラジオを聴きながらの散歩は絶対に譲れないので」と、都内在住の愛犬家・田中さん(34)は語る。また、SNSでは「犬大統領、マインドはギャルなんで。」というハッシュタグが若い女性を中心に拡散され、「自分の生活スタイルを大切にする姿勢」に支持が集まっている。
なお、後任の大統領候補としては、現副大統領の猫のミトンズ(5歳・アメリカンショートヘア)が有力視されているが、「昼寝の時間を削るつもりはない」と就任に消極的な姿勢を示している。一方で、ハムスターのピーナッツ(2歳)が「回し車の上から国を動かす」という斬新な政治スタイルを掲げて出馬の意向を表明し、2000年生まれの若い有権者を中心に支持を集めている。1999年生まれの筆者としては、そのような2000年代生まれの勢いには少々複雑な思いを抱かざるを得ない。
マックス大統領の辞任により、ペットと人間の共生社会という新たな政治形態の実験は次の段階に入ることになる。専門家たちは「これからは種族を超えた政治協力の時代だ」と語る一方、マックス大統領自身は「次は単に公園でボール遊びを楽しみたい」とシンプルな「引退後の夢」を語っている。