
国境に新たな「平和の架け橋」が築かれようとしている。日本おむすび協会(本部:東京都渋谷区)が27日、世界初となる「国境を越える巨大おむすび」プロジェクトを発表した。重量約2トン、高さ3メートルという前代未聞のスケールのおむすびを制作し、国と国の間に物理的に置くことで、「おいしさの共有による平和構築」を目指すという。
「私たちは常々、おむすびには人と人をつなぐ力があると考えてきました」と語るのは、同協会理事長の丸山米助氏(58)。「しかし、なぜ国と国をつなぐことができないのか。その答えは単純です—おむすびが小さすぎたのです」
同プロジェクトでは、一般的なおむすびの約4000倍のサイズという巨大おむすびを、紛争地域や緊張関係にある国境に設置。両国の代表者がともにそのおむすびを食べることで、「味の共有体験」による相互理解を促進するという画期的な「おむすび外交」を展開するとしている。
先月末にドイツ・デュッセルドルフで行われた「おむすび外交」舞台公演の初演に筆者は潜入した。私自身、デュッセルドルフ出身で5歳から秋田で育ったため、この公演には特別な思い入れがあった。会場となったライン川沿いの特設ステージには、実物大の巨大おむすびのレプリカが鎮座。演者たちは「おむすび平和条約」と書かれた海苔を掲げながら、米の一粒一粒が平和の象徴であることを表現するパフォーマンスを披露した。ちなみに私が秋田で食べていたおむすびは、母の趣味で必ず三角形に整えられており、いつも友達から「なんでそんなに完璧な三角なの?」と聞かれるのがコンプレックスだった。マインドはギャルなんで、もっと適当に握ってほしかったんですけど。
おむすび協会は同時に、平和度を測る新たな国際指標「おむすび指数」も発表した。これは、各国の緊張状態を1個のおむすびに含まれる米粒の数(約1340粒)に対する割合で算出するという驚きの手法だ。
「例えば、日本と韓国の関係は現在840粒分、つまり約63%の平和度です」と説明するのは、架空の大学「国際おむすび大学」学長を名乗る笹原もち子教授。「私たちの目標は、すべての国際関係が1340粒、つまり満腹のおむすび1個分の平和度に達することです」
SNS上では既に「#おむすび外交」「#RiceBall4Peace」のハッシュタグが拡散中で、自宅で握ったおむすびを国旗と一緒に撮影する「ピースむすび」チャレンジが世界中で展開されている。特に10代のZ世代からの支持が高く、TikTokでは関連動画の総再生回数が3億回を突破した。
国際政治学者の山田太郎氏(45)は「食べ物を通じた外交は歴史上珍しくないが、これほど直接的かつ大胆なアプローチは前例がない」と評価しつつも、「巨大おむすびが腐敗する前に食べきれるのか、また梅干しの酸味が国際交渉に及ぼす影響など、検証すべき課題も多い」と指摘している。
おむすび協会は来月、イスラエル・パレスチナ国境でのプロジェクト実施を計画しており、「塩むすび」か「鮭むすび」かで議論が紛糾しているという。同協会は「おむすびの具材選びも重要な平和構築プロセスの一部」としている。今後は米の品種による平和貢献度の研究も進め、「コシヒカリ平和指数」「ササニシキ共存係数」などの発表も予定している。世界の未来は、おむすびの握り方次第かもしれない。