
地球温暖化対策として踊りによる地球冷却を提案する劇団「ワンダンス劇団」が、新作公演「氷河期リターンズ」を発表した。同公演では、観客が鑑賞するだけで体感温度が下がるという「氷河期ダンス」を披露するという。
「私たちの踊りには地球を冷やす力があるんです」と話すのは、同劇団代表の南極太郎氏(34)。「これまで環境問題は政治や科学の力で解決しようとしてきましたが、私たちは芸術の力で挑戦します。マインドはギャルなんですけど、地球のことは本気で考えてます」
この公演の科学的根拠を説明するのは、国際氷河期研究所所長を名乗るドクター・クールダウン氏。「ダンサーたちの踊りによる振動が地球の自転軸をわずかに変化させ、太陽光の入射角度を変えることで地球全体の気温を下げることができるのです」と熱弁する。
本名・鈴木冷之介さん(51)というこの研究者、取材に対して「実は物理学の学位は持っていません」と告白。「でも、中学時代に科学部で優勝したことがあります。それに今は誰でもYouTubeで学べる時代じゃないですか」と自信満々に語った。
公演では観客全員に「氷のうちわ」が配布される。「これは特殊な素材で作られており、振ることで空気中の熱を吸収し、会場の温度を下げる効果があります」と説明されているが、記者が触ってみたところ普通のプラスチック製うちわだった。
それでも、劇団側は「プラスチックに特殊なコーティングを施しています。見た目は普通でも、効果は絶大です」と主張。「このうちわを全員で一斉に振ることで、会場内の気温を最大2度下げることができます」とのこと。これは東京の夏なら2.7億円相当のエアコン電気代節約になるという試算も示された。
先行上演された公演後、観客からは「本当に寒くなった!」「震えるほど冷え込んだ」という声が続出。中には「氷河期を体感した」という感想も。実際には会場のエアコンが全開だったことが判明したが、それを指摘すると「サポート冷房です。本当の冷却はダンスの力です」と釈明された。
公演のハイライトでは、観客も一緒に「氷河期ダンス」を踊るコーナーがあり、「地球を救うために一緒に踊りましょう」と呼びかけられる。この踊りは、TikTokでも「#氷河期チャレンジ」として広がりを見せており、現在までに約17人が参加している。
また、公演チケットの売上の一部は「氷河保護基金」に寄付されるとのことだが、その基金の実態について問い合わせたところ「まだ設立準備中です」との回答だった。
地球温暖化を踊りで解決する「氷河期リターンズ」は来月から全国ツアーを予定している。科学的根拠は疑わしいものの、環境問題への関心を楽しく広げる試みとして注目を集めている。南極太郎氏は「科学的効果は微々たるものかもしれませんが、皆さんの環境意識を冷やさないことが大切です。下北沢公演は私の家から徒歩12分なので、ぜひ皆さん来てください」と締めくくった。