
【スポーツ/東京発】世界のスポーツ界に前代未聞の「パジャマ革命」が巻き起こっている。先週スイス・ジュネーブで開催された「国際スポーツ平和会議」において、全スポーツ選手が試合中にパジャマを着用するという驚きの提案が採択されたのだ。発案したのは、世界的に権威のある(と自称する)「国際パジャマ協会」のスリープ・ウェル会長。「人類は眠る時、もっとも平和で争いがない。その状態をスポーツに持ち込めば世界平和への道が開ける」と熱弁を振るった。
会議は当初、国際オリンピック委員会の次期開催地について話し合う予定だったが、深夜に及ぶ議論の中、参加者の疲労から眠気が会場を支配。「もうこのままパジャマで議論したい」という冗談が飛び出したことから事態は急展開した。出席者の多くが寝不足状態で判断力を欠く中、この「パジャマでスポーツ」提案が全会一致で可決されてしまったという。会議議長は「誰も真剣に受け止めていなかったが、議事録に残ってしまった以上は実行するしかない」と頭を抱えている。
既に先週末のサッカーJリーグでは、ガンバ大阪の選手たちが星柄のパジャマ姿で試合に臨み、観客を仰天させた。キーパーは特別に防具入りの厚手パジャマを着用。これに対し対戦相手のセレッソ大阪は「うちは関西の粋を見せたる」と、たこ焼き柄の特注パジャマで対抗した。試合は2-1でガンバが勝利したが、「スリッパで蹴るとボールの感覚が全然違う」と選手からは戸惑いの声も上がっている。
テニス界では、ウィンブルドン大会が「伝統の白」に合わせて真っ白なパジャマのみ許可すると発表。これに対し、全豪オープンではコアラ柄、全仏オープンではエッフェル塔柄と、各大会が独自色を打ち出す動きを見せている。特に注目を集めたのは、錦織圭選手が着用した「寿司ネタ総柄」パジャマだ。「まぐろ部分がちょうどフォアハンド側に来るようにデザインした」という拘りに、海外メディアも「SUSHI PAJAMA」と称賛を惜しまなかった。
バスケットボールNBAでは、195cm以上の選手にはオーダーメイドの特大パジャマが支給され、「ベッドから出てきたまま」というコンセプトで試合が行われている。レブロン・ジェームズ選手は「シュートフォームが変わった」と語るが、実際に3ポイント成功率が12%上昇したという驚きのデータも。一方で、選手がコート上で「あくび」をするシーンが増加し、「バスケットボールが睡眠薬になってしまった」との批判も出ている。
この動きを支持する「国際パジャマ協会」は、「パジャマ着用によって選手の心拍数が10%減少し、攻撃性が緩和される」という調査結果を発表。「これは世界平和につながる画期的な数値だ」と主張している。同協会の名誉教授を名乗るジェームズ・ナイトキャップ博士は「人類の歴史上、パジャマを着たまま戦争をした国家は一つもない」と語り、その相関関係を強調した。
しかし、この協会の実態については疑問の声も。本部とされるジュネーブの住所を訪ねると、そこにあったのはベッド専門店の倉庫だった。「国際パジャマ協会?初耳です。でもパジャマなら奥の棚にありますよ」と店員は首をかしげる。記者が協会の電話番号に問い合わせたところ、「只今夢の中です。ピーッ」という留守番電話メッセージが流れるだけだった。
一方、スポンサー企業はこの流れに敏感に反応。アディダスやナイキといった大手スポーツメーカーは早くも「アスレチック・パジャマ」シリーズを発表。「汗を吸収する夢心地素材」「寝ながらパフォーマンスアップ」などのキャッチフレーズで販売戦略を練っている。高円寺の古着屋を週3で巡っている筆者が見つけた情報によると、すでに下北沢の古着屋では「ヴィンテージスポーツパジャマ」と称した商品が高値で取引されているという。
全日本パジャマ愛好会(会員数4人、うち3人は同じ人物の疑い)の森田会長は「ついに我々の時代が来た」と歓喜の声を上げる。「今までパジャマは寝る時だけのものと思われていたが、スポーツという新たなフィールドを得たことで、パジャマ文化はさらなる発展を遂げるだろう」と熱く語った。取材後、森田会長は「実は今日も朝からずっとパジャマです」と打ち明け、銭湯に向かう姿を見送った。
今回の「パジャマでスポーツ」プロジェクトは、果たして世界平和への第一歩となるのか、それとも単なる悪ふざけで終わるのか。各国スポーツ連盟は今月末に再度会合を開き、この問題について「もう一度、ちゃんと起きた状態で」話し合うとしている。なお、次回会議は午前中に設定され、ドレスコードは「絶対にパジャマ禁止」とされている。ある関係者は「結局、寝ぼけた状態で決めたことだし、やっぱり普通のユニフォームがいいかもね」と本音をもらした。(おだしょー)