
カジッテ大学(東京都虚構区)の研究チームが、人間がガムを噛む動作だけで発電する「無限エネルギーガム」を開発したと発表し、エネルギー業界に衝撃が走っている。ただし条件は1日24時間休みなく噛み続けること。この革命的発明により、地球温暖化対策の切り札になると期待が高まっている。
同大学の噛み噛み太郎教授(57)によると、この特殊ガムには微小な圧電素子が埋め込まれており、咀嚼の圧力を電気エネルギーに変換する仕組みだという。「一人が24時間噛み続けると、一般家庭の1日分の電力をまかなえます。10万人が噛めば、原発1基分の発電量になります」と太郎教授は熱弁する。
無限エネルギーガムの味は「永遠グリーンアップルミント味」の一種類のみ。「途中で味が変わると噛む意欲が下がるので、ずっと同じ味で飽きさせない工夫をしました」と研究チームは説明する。また噛むことで唾液も大量に発生するため、特殊な吸引装置も同時に開発されている。
この画期的な発明を受け、カジッテ大学では「プロフェッショナル・チューイングスタッフ(PCS)」という職業を新設。時給3000円という破格の条件で募集したところ、わずか3日で10万人を超える応募があったという。「普段から授業中ずっとガム噛んでるから、これなら私にもできる!」と語るのは、千葉県の女子高生・あおい(17)さん。「友達とLINEしながらでもガム噛めるし、地球も救えるなんて最高じゃん。エモすぎない?」と目を輝かせた。
しかし実際の勤務は想像以上に過酷だ。24時間噛み続けるため、PCSたちは3交代制で働くが、睡眠中も噛み続ける「ドリームチュー」という特殊な技術を習得する必要がある。「寝ながら噛む練習が一番難しかった」と語るのは研修を終えたばかりの田中(28)さん。「最初の頃は毎朝、枕がよだれでびしょ濡れでした。今ではガムと一体化して生きている感覚です」
勤務環境も特殊だ。カジッテ大学キャンパス内に新設された「噛み心地サロン」は、噛み疲れを最小限に抑えるため、顎専用マッサージ機や特殊な角度のリクライニングチェアを完備。さらに「噛むリズムを維持するための専用BGM」も常時流れている。「K-POPのリズムに合わせて噛むと効率が42.3%アップする」という研究結果もあり、サロン内はまるでコンサート会場のような熱気に包まれているという。
この革命的発明に対し、「全日本ガム協会」と名乗る団体が記者会見を開き、「ガムは地球を救う!」というスローガンを掲げて全面支援を表明した。同協会の会長・風船銃太郎氏(肩書き不明)は「私たちは長年『ガムは単なる菓子ではない』と主張してきました。今回の発明はその証明です」と語る。しかし取材を進めると、この協会は昨日設立されたばかりで、事務所は渋谷のネットカフェの個室だということが判明。会員も銃太郎氏一人という疑惑が浮上している。
一方、エネルギー問題の専門家からは懸念の声も。「一人の人間が24時間ガムを噛んで生成できるエネルギーは、たかだか電球一個を40分点灯させる程度。全日本人が噛んでも火力発電所1つ分にもならない」と指摘するのは、東京虚構大学の省エネ専門家・節子教授(62)だ。また歯科医からは「24時間噛み続けると顎関節症になる可能性が99.9%」との警告も出ている。
さらに環境面での懸念も。「使用済みガムの処理問題は深刻」と語るのは環境団体「SAVE THE GUM」代表の青木さん。「年間100万トン発生する使用済みガムは生分解されず、すでに『第六の大陸』と呼ばれるガム島が太平洋に形成されつつあります」
カジッテ大学は「無限エネルギーガム」の実用化に向け、政府に補助金申請中だが、「チューイングエネルギー基本法」の制定には時間がかかる見込み。しかし太郎教授は「ガムを噛むという単純な行為で地球を救える可能性がある」と主張。「次はポッキンと折れるお菓子のパキパキエネルギーの研究に着手する」と意欲を見せている。実現すれば、お菓子を食べながら電気代が稼げる夢の時代が到来するかもしれない。