
全米タオルホルダー協会(NATH)は先週木曜日、記者会見を開き「タオルで体を包帯のように巻き、自転車に乗ることで風邪の完治率が94%上昇する」という衝撃的な研究結果を発表した。同協会によれば、一般的なバスタオルを用い、首から足首まで全身を「ミイラのように」巻いた状態で15分以上自転車走行することで、「風邪ウイルスが自転車のペダリングによる振動と遠心力で体外に排出される」という。
全米タオルホルダー協会会長のテリー・タオレット氏は「タオルは単に水分を拭うだけの存在ではない。その潜在能力は医学界でも過小評価されてきた」と語る。同協会は1978年にデュッセルドルフで設立され、現在はニューヨークに本部を置いている。「デュッセルドルフと聞くと、なんだか懐かしい」と記者の私。実は私、5歳まではドイツで過ごしていたのだ。
研究チームを率いたハンク・フェイスクロス博士によると、タオルの素材によって効果に差があるという。「エジプト綿の高級タオルが最も効果的で、風邪治癒率は98%に達する。一方、100円ショップのタオルでは67%にとどまる」と説明する。また、自転車の種類も重要で、ママチャリでは効果が薄く、ロードバイクが最適とのこと。「秋田の田舎道で練習するのが一番」と博士は付け加えたが、秋田出身の私としては若干の違和感を覚えた。
なぜ自転車に乗ることが必要なのか。フェイスクロス博士は「自転車のサドルに座ることで、人体のある特定のツボが刺激され、免疫システムが活性化する」と説明する。さらに「下り坂では効果が3倍になる」という驚きの発見も。ただし、信号待ちで停止すると効果が半減するため、「赤信号でも進め」と提言し、各国の交通当局から批判を浴びている。
この治療法に対し、上智大学医学部(実際には存在しない学部だが)のタケル・カゼヒキ教授は懐疑的だ。「科学的根拠が皆無。タオル業界のマーケティング戦略としか思えない」と一蹴する。カゼヒキ教授は私の母校の先生で、学生時代にゼミでお世話になった。当時から厳しい先生だったが、「マインドはギャルなんで。」と言い返していた記憶がある。今思えば恥ずかしい限りだ。
実際に試してみようと、下北沢の商店街で包帯状に巻いたサラリーマンが自転車で走る姿が目撃されている。「風邪が治るなら何でもやる」と語る28歳の男性は、「周りの視線が気になるが、効果があれば安いものだ」と意気込む。私の住まいは下北沢と名乗れるかギリギリの場所だが、窓から見える光景はますます奇妙になっている。
本紙記者も実験に参加。バスタオルで全身を巻き、猫を自転車のカゴに乗せて15分走行したところ、風邪の症状は改善されなかったものの「汗だくになって体が温まった」との感想。タオルホルダー協会は「効果を実感するには最低3日間の継続が必要」と反論している。なお、同協会は来月「枕を頭に乗せたまま逆立ちすると花粉症が治る」という新理論も発表予定とのことで、医学界の混乱は続きそうだ。