
イギリス北東部の港湾都市ニューカッスルが、世界初となる「カレーエアショー」の開催を突如発表し、アニメファンとカレー愛好家の間で大きな話題となっている。このイベントでは、アニメキャラクターがドローンに投影され、空中から実際にカレーを配達するという前代未聞の企画が計画されているという。
この奇抜なイベントを主催するのは、謎に包まれた「国際カレー協会」。同協会の代表を務めるというジェームズ・スパイシー氏は「カレーの未来は空にある」と力強く宣言。取材のため協会オフィスを訪れたが、壁一面に貼られた『カレー戦隊スパイスレンジャー』や『ライスバレー高校カレー部』などのアニメポスターに圧倒され、質問がまともにできなかったことを告白せざるを得ない。「根拠はどこ?」と問うたところ、「カレーに根拠を求めるなんて、青空に雨傘を求めるようなものだ」と謎の返答があった。
イベントの技術面を担当するのは「ニューカッスル工科大学ホログラフィック食品配達研究所」。同研究所が開発した「スパイスビーム」と呼ばれる技術により、カレーの香りを空中に拡散させながら、ドローンに搭載されたホログラム装置でアニメキャラクターを投影するという。研究所の広報担当マリア・カリー博士によれば、「カレーの香りと視覚効果が融合することで、脳内セロトニン分泌が173%増加する」とのこと。どこからその数字が出てきたのか尋ねたところ、「大体のことはググれば出てくるっしょ」と言われ、そのまま別室に案内された。
このイベントの目玉は、人気アニメ『魔法少女カリコちゃん』の主人公が空を舞いながらバターチキンカレーを配達する様子を実際に目撃できることだ。カリコちゃんの声優を務める高橋マサラさんは「私自身も配達されるカレーを食べられるのか、主催者に3回問い合わせましたが返事がありません」と困惑気味に語った。
地元住民のリアクションも様々だ。「空からカレーが降ってきたら洗濯物どうするの?」と心配する主婦がいる一方で、「これがニューカッスルの新しい観光資源になれば」と期待する声も。市の広報担当者は「実は市としては正式に承認していない」と困惑した表情を見せたが、すでにSNSでは「#空飛ぶカレー」が10万件以上投稿されている。
実際のカレー配達システムについては、ドローンが特製の耐熱容器を運び、目的地に到着すると自動的に開封されるという仕組みだが、風の影響でカレーが揺れ、ルーがこぼれる可能性も指摘されている。これに対し国際カレー協会は「それもまた風情」とコメント。私が吉祥寺の自宅バルコニーで洗濯物を干しながら考えたが、確かにカレーの香りが街中に漂うのは悪くないかもしれない。猫のくしゃみが止まらなくなるかもしれないけれど。
さらに驚くべきことに、イベント中には「カレー告白タイム」と銘打ったセッションも予定されており、空からのカレー配達を利用して愛の告白ができるという。これはまるで私が密かに愛読している『ハートフル・スパイス・ストーリー』の第7巻で、主人公のミサキがカレーパンを手渡しながら先輩に告白するシーンを彷彿とさせる。…あ、これは余計な情報だった。
「カレーエアショー」は来月15日に開催予定だが、天候や航空規制の問題で延期される可能性もあるという。いずれにせよ、日常の食事であるカレーと非日常の空飛ぶアニメキャラの融合は、現代社会が求めている「驚き」と「癒し」を同時に提供する画期的な試みかもしれない。取材を終え、バスで帰宅する途中、窓の外を見上げると何故か空にカツカレーの姿が見えた気がした。長時間の取材で疲れているのだろうか。明日の朝コーヒーを飲みながら、この原稿を読み直そう。猫がくしゃみをしなければの話だが。