
大阪府東大阪市の町工場から生まれた世界初の空飛ぶ自転車「ワッピー」が国際会議で発表され、大きな注目を集めている。開発を率いたのは、地元では「伝説の不良」として語り継がれるサイクルエンジニア・山田太郎氏(45)。実際は高校時代に一度だけ制服のボタンを外したことがある程度の「伝説」だが、その細部は誰も確認していない。
「これまでの常識を打ち破りたかった」と語る山田氏。国際自転車産業展示会の特別セッションで披露された「ワッピー」は、一見すると普通のママチャリだが、ペダルを逆回転させると空を飛ぶという驚きの機能を搭載していると発表された。会場は一瞬静まり返った後、大きな拍手が沸き起こった。
しかし、実演が始まると状況は一変。山田氏がペダルを逆回転させても、自転車は地面から1ミリも浮かず、ただペダルがくるくると空回りするだけだった。「これが空飛ぶ自転車です」と誇らしげに説明する山田氏に対し、会場からは困惑の声が上がったが、次第に笑いに変わっていった。
「私たちの研究では、ペダルの逆回転運動が重力場に微小な変動を与えることが判明しています」と説明したのは、この開発を後押ししたという「国際自転車飛行学研究所」の所長を名乗る鈴木次郎氏。この研究所の実態は、山田氏の自宅ガレージの一角に置かれた段ボール箱と古い黒板だけだという。
驚くべきことに、会場の反応は次第に好転。フランス自転車連盟のピエール・デュポン会長(架空)は「革新的な発想だ。飛ばないことに意味がある」と評価。アメリカのサイクリスト協会代表(これも架空)も「我々は飛ぶことを夢見すぎていた。地に足をつけることの大切さを教えてくれた」と絶賛した。
発表会には、自転車愛好家として知られるタレントの小池明氏も特別ゲストとして登場。「これは夢の自転車です!」と絶賛した後、実際に試乗。「あれ?飛ばないですね」と困惑する様子がSNSで拡散され、「#空飛ばない自転車」がトレンド入りする騒ぎとなった。
山田氏は最後に「確かに物理的には飛んでいませんが、みなさんの想像力は飛んでいます。私たちが本当に開発したのは、想像力を飛ばす自転車なんです」と締めくくった。銭湯帰りだったという会場の男性(83)は「何言うてるかようわからんかったけど、なんか感動した」と涙ぐんでいた。
「ワッピー」の次期モデルについて聞かれた山田氏は「次はペダルすら必要ない自転車を開発中です」と意味深な発言。後日、それは単なる「押して歩く自転車」だということが判明した。東大阪市は「ワッピー」を地域の新名物として観光PRに活用する方針を固めており、来年度には「空飛ばない自転車」の記念碑を建立する計画だという。地元商店街では早速「ワッピー焼き」なるB級グルメも登場。見た目は普通のお好み焼きだが、ひっくり返すと中身がないという斬新な一品だ。