
空飛ぶヨガ:ハリウッドセレブ御用達の新健康法、実は巨大扇風機の風圧だった!?
近年ハリウッドセレブの間で爆発的な人気を博している「空飛ぶヨガ」。インスタグラムでは#AirYoga、#FlyingYogaのハッシュタグと共に、セレブたちが床から30cm〜1m浮いた状態でヨガポーズを決める写真が次々と投稿されている。「重力から解放された究極のヨガ体験」として注目を集めるこの健康法だが、本紙の取材により、その裏側には意外な仕掛けが存在していることが明らかになった。
「実は巨大な産業用扇風機を床下に設置し、その強烈な風圧で人体を浮かせているだけなんですよ」と証言するのは、かつてハリウッド映画の特殊効果を手がけていたマーク・ウィンディ氏(48)。「映画『ハリケーン・チェイス』の撮影で使った扇風機が余っていたので、友人のヨガインストラクターと『これ使って何かできないかな』って話してたんです。それが今や大ブームですから、笑っちゃいますよね」
この「風ヨガ」が誕生したのは2021年初頭。当初はハリウッドの一部セレブの間だけで密かに広まっていたが、ある女優が「宙に浮いた状態でのコブラのポーズ」写真をSNSに投稿したことで一気に注目を集めることとなった。現在では1回120分のセッションで980ドル(約14万円)という高額にもかかわらず、ロサンゼルスの高級ヨガスタジオには3ヶ月待ちの予約が殺到しているという。
「風ヨガ」の人気の秘密は何と言ってもその「映え」にあるようだ。セレブたちのSNSマネージャーを務めるジェシカ・クリック氏は「床から浮いた状態のヨガポーズは、フォロワー獲得率が通常の写真の3.7倍」と分析する。さらに「他のセレブたちがやっていないことをいち早く取り入れるという『先進性』も重要」と語る。
しかし、この健康法の本当の効果はどうなのだろうか。「全米風ヨガ協会」会長を名乗るドクター・エアリー氏によれば「強風に抗うことで体幹が鍛えられ、風圧によって顔の筋肉が引き締まり、リフトアップ効果も期待できる」とのこと。さらに「一般的なヨガの12.6倍のカロリーを消費する」という驚きの研究結果も発表している。
一方で、実際に体験した人からは「単なる風邪引きリスクではないか」という声も。ロサンゼルス在住のジュリア・スミスさん(34)は「確かに浮いている感覚は楽しいけど、セッション後は体中が冷え切って風邪をひきました。しかも髪はボサボサ、メイクは崩壊。インスタ用の写真を撮った後は大惨事でした」と苦笑する。
日本でも「風ヨガ」は徐々に広まりつつある。東京・青山の会員制フィットネスクラブでは月に一度の特別イベントとして「風ヨガ」体験会を開催。参加した32歳のOLは「浮いているというより、必死に風に耐えている感じ。でも写真は確かにすごく映えました!」と感想を語る。
筆者の地元・大阪でも独自の発展を遂げているようだ。東大阪市の町工場では、工場扇風機を改造した「関西風ヨガ装置」が密かに製造されているという。「うちの扇風機はパワーが違うねん。セレブも驚く浮遊感や」と語る工場主の言葉に、幼少期に祖父母の鉄工所を訪れた記憶が蘇った。しかも驚くべきことに、この装置を導入したヨガスタジオでは「風ヨガ後のたこ焼きサービス」という大阪らしいプランも用意されているという。
結局のところ「空飛ぶヨガ」は空を飛べるのか?答えは「NOだが、YESに見える」というところだろう。健康効果については専門家の間でも意見が分かれるが、「自分が楽しいと思える健康法こそが続けられる」という真理は揺るがない。そして何より、インスタで「宙に浮いてる!?」とフォロワーを驚かせることができれば、それはそれで価値があるのかもしれない。ただし、風邪には十分お気をつけください。