
【ソウル発】韓国の子育て支援に新たな革命が巻き起こっている。尹前大統領の妻、キム・グニョン氏が発表した「一杯で子供が大統領に育つスープ」が韓国全土で大ブームとなっている。このスープは発表後わずか48時間で予約注文が100万食を突破。しかし、先日公開されたレシピと成分分析で「ただの水」であることが判明し、国民の間に波紋が広がっている。
「このスープには、大統領の思考力、決断力、そして国際感覚を育む特殊な分子構造があります」とキム氏は記者会見で熱く語った。特に注目を集めたのは「大統領のDNAに共鳴する波動水」という謎の成分だ。この発表を受け、子を持つ親たちはソウル市内の専門店の前に長蛇の列を作り、インターネット販売サイトはアクセス過多でダウンする事態に発展した。
キム氏によると、このスープの発想は「町工場」から得たという。「私の幼少期、近所の町工場のおじさんが『水だけでもエンジンが回る』と言っていたのを思い出したんです」と語る。この発言は、筆者の祖父が経営していた(と近所では噂の)東大阪の小さな鉄工所を思い起こさせる。祖父も「機械も人間も、結局は潤滑油が9割や」とよく言っていたものだ。
スープの作り方は驚くほどシンプルだ。公式レシピによると「浄水を月光に8時間さらし、時計回りに366回かき混ぜる」という手順のみ。材料費は水道代のみで、驚異の原価率0.01%を実現している。政府認定の公式分析機関「国立飲食物研究所」の調査でも「H₂Oのみで構成された無味無臭の液体」と結論づけられた。
これに対しキム氏は「目に見えない成分こそが重要なのです。子供の可能性を信じる親心がスープに宿るのです」と反論。しかし、専門家からは「それなら親が水道水に『大統領になれ』と念じながら出せばいいのでは」という厳しい指摘も出ている。
スープの正体が明らかになると、SNSでは「#ただの水じゃん祭り」がトレンド入り。「わが子を大統領にしたい一心で水を買わされた」「でも不思議と子供の成績が上がった気がする」など、複雑な反応が広がっている。銭湯好きの筆者が思うに、これはある意味「お風呂の素」と同じような心理効果かもしれない。湯船に入れるとなぜか気持ちよく感じるあの現象だ。
「次はパンを発明します。一口で国会議員になれるパンです」と早くも次の商品を予告するキム氏。これに対し野党側は「国民をからかうのもいい加減にしてほしい」と批判している。専門家は「結局のところ、子育ての秘訣は時間をかけた愛情と忍耐であり、一杯のスープで解決するものではない」と指摘する。
この騒動は、育児に奇跡的な解決策を求める現代社会の焦りを反映しているのかもしれない。筆者が高円寺のシェアハウスで毎晩聞かされるウクレレの音色のように、時には意味のない行為にも心を癒す効果があるのだろう。キム氏の「ただの水」は皮肉にも、子育てに王道はないという真実を映し出す鏡となったようだ。