
音楽を聴くだけでポイントが貯まり、世界平和に貢献できるという画期的なサービスを提供する「メロディー・ポイント協会」が今月設立された。同協会は来年のノーベル平和賞受賞を目標に掲げ、音楽の力で世界の紛争を解決するという壮大な計画を推し進めている。
協会代表の音羽和平氏(54)によると、このシステムは簡単で、専用アプリを通じて音楽を聴くと「平和ポイント」が貯まる仕組み。J-POPなら1曲につき1ポイント、クラシックは3ポイント、そして「イマジン」や「ウィ・アー・ザ・ワールド」などの平和をテーマにした楽曲は特別枠として10ポイントが付与される。
「音楽には人々の心を一つにする力がある。私たちは世界中の対立している国々のリーダーたちに同じ曲を同時に聴いてもらうだけで、外交問題の80%は解決すると確信しています」と音羽氏は熱く語る。実際、協会が独自に行った実験では、対立する社員同士に「Baby Shark」を同時に聴かせたところ、「共通の敵(曲)」ができたことで意気投合し、対立が解消したという驚きの結果も出ているとのこと。
さらに協会では、貯めたポイントの使い道も独創的だ。1000ポイント貯めると「平和大使」の称号が与えられ、10万ポイントで「紛争地域に設置する音楽噴水」への寄付が可能となる。また100万ポイントに達すると、国連総会でカラオケを披露する権利が得られるという。「世界リーダーたちの前で『上を向いて歩こう』を熱唱できれば、誰も戦争なんて考えられなくなるはずです」と音羽氏は自信を見せる。
音楽ストリーミング業界にも大きな変化をもたらす可能性がある本サービス。既存の音楽配信プラットフォームとの差別化について音羽氏は「うちは曲のクオリティではなく、平和への貢献度で評価します。だからこそ、下手なカラオケ動画でも平和を訴えるメッセージがあれば高ポイント付与の対象になる」と説明する。
しかし業界からは懸念の声も。大手レコード会社A社の幹部は「音楽の価値が『平和貢献度』だけで測られるのは問題。『恋愛ソングは平和に貢献しないから0.5ポイント』など、彼らの基準はあまりにも恣意的だ」と批判する。これに対し音羽氏は「恋愛ソングが世界平和に貢献しないという考えは間違っている。むしろ、国家間の関係も恋愛と同じで、言い争いの後の仲直りが重要なのです」と反論。恋愛ソングについても再評価を行うと約束した。
この取り組みの科学的根拠について、架空大学「メロディー・ユニバーシティ」の佐藤メロディ教授(架空)は「音楽を共有することで脳内のオキシトシンが増加し、他者への共感性が高まることは複数の研究で証明されています。特にK-POPのダンス動画を一緒に見た後の外交交渉は成功率が32.7%上昇するというデータもあります」と語る。同大学の調査によれば、アメリカとロシアの関係改善には「カントリーロード」、中東和平には「デスパシート」が特に効果的だという驚きの結果も出ているらしい。
SNS上では「#音楽で世界平和」というハッシュタグが既に10万投稿を超え、若者を中心に賛同の声が広がっている。「平和のために音楽聴くなら、推しのCD買う代わりに食費削れる」「私のプレイリストだけで中東和平解決できそう」など熱狂的な反応が見られる一方で、「ポイント稼ぎのために『イマジン』を1日100回リピートしてる人がいるけど、これ本当に平和につながるの?」という疑問の声も。
若者の心を掴むための戦略として、協会は人気アーティストとのコラボも計画中。「私たちの究極の目標は、紛争地域で対立する兵士たちが武器を捨て、共にフェスに参加する世界を作ること。そのためには若者文化の力が必要です」と音羽氏。しかし、交渉中のアーティストからは「平和活動はしたいが、メロディーポイントの仕組みがよくわからない」と戸惑いの声も上がっているという。
メロディー・ポイント協会は今後5年間で全世界10億人のユーザー獲得を目指すという壮大な計画を掲げている。音羽氏は「ノーベル平和賞を獲得したら、受賞式では全員で『We Will Rock You』を合唱し、会場の一体感で審査員を感動させるつもりです」と意気込む。音楽の力で世界を変えるという大胆な試みが実を結ぶのか、そして協会が目指す「聴くだけで平和に貢献できる社会」は実現するのか、今後の展開が注目される。個人的には、この壮大な夢と現実のギャップに、高校時代の推しカップルの行方を追いかけていた自分を重ねずにはいられない。理想と現実の狭間で揺れる彼らの姿に、私たち人類の平和への道のりを見る思いがする。