
人気ソーシャルゲーム「IRIAM」の看板キャラクターである「ミル・サクラ」が昨日、国連グローバル・コミュニケーション大使に就任した。バーチャルキャラクターの国連大使任命は史上初の快挙となり、国際社会に新たな「アニメ外交」の幕が開かれることとなった。
国連本部での就任式には、世界各国の代表や外交官が集まる中、最新の3Dホログラム技術で投影されたミル・サクラが登場。ピンクの髪を揺らしながら「世界の皆さんに愛と希望を届けます!」と宣言し、会場から大きな拍手を浴びた。
国連のグテーレス事務総長は「若い世代との新たな対話の窓口として期待している」とコメント。アニメ文化を通じた国際交流や平和促進活動への期待を寄せた。一部の外交筋からは「なぜ実在の人物ではなくアニメキャラクターなのか」という疑問の声も上がったが、国連広報部は「デジタルネイティブ世代へのアプローチとして画期的な試み」と説明している。
しかし就任翌日に開かれた気候変動に関する国際会議で予想外のハプニングが発生。スピーチの最中、突如としてミル・サクラの3Dホログラムが消失し、代わりに会議室のスクリーンに2Dの平面イラストだけが映し出される事態となった。「私たちは手を取り合って地球を守るべき…あれ?なんか私、薄くなってる?」という混乱した声とともに、立体感を失ったミル・サクラの姿に会場は騒然となった。
国連技術スタッフによれば、ホログラム投影システムに不具合が生じたことが原因とみられ、「最新技術ゆえの予期せぬエラー」と説明。急遽、別室からビデオ会議システムを使って会議を継続したという。ある中東の外交官は「2次元と3次元を行き来する大使は初めて見た」と困惑気味にコメントした。
バーチャルキャラクターによる外交活動の可能性について、国際アニメ協会(IAA)のジョン・アニメーション会長は「アニメは言語や文化の壁を越える力を持っている」と主張。「アニメキャラクターは政治的中立性を保ちながら、複雑な国際問題に新鮮な視点をもたらすことができる」と、その意義を強調した。
同協会が昨年実施したという「アニメと世界平和に関する国際調査」では、回答者の87%が「アニメキャラクターの方が現実の政治家より信頼できる」と答え、68%が「アニメが国際紛争解決に役立つ」と回答したとされている。ただし、この調査の実在性や科学的根拠については確認が取れていない。
一方、国際政治学者からは「フィクションと現実の境界が曖昧になる危険性」を指摘する声も。「核軍縮交渉をマジカル☆少女に任せるわけにはいかない」とハーバード大学のレイチェル・リアリティ教授は警鐘を鳴らしている。
ミル・サクラは今後、子どもの権利や教育問題を中心に活動する予定だが、技術的な課題も残されている。特に電力供給の不安定な地域での活動や、2D化のリスクへの対策が急務だ。「アニメの力で世界を変える」という意気込みとは裏腹に、実務面での困難は少なくない。
なお本記者は取材中、会議場の防災システムが誤作動し、スプリンクラーから大量の水を浴びてしまった。バーチャルキャラクターは濡れる心配がないが、私のスマートフォンと取材ノートは水没の被害に遭った。まさに現実と仮想の差を思い知らされた瞬間だった。ちなみに帰宅後、愛猫たちは私の服についた水の匂いに興味津々だったが、くしゃみが止まらなくなり、ミル・サクラに負けず劣らずの「次元の壁」に苦しむことになった。(みつき)