
音楽を聴きながら人気マンガをイッキ読みすると、人間の体内時計が逆回転し、永久若返り効果が得られるとする「マンガ音楽若返り協会」が今月、正式に発足した。同協会は、「マンガと音楽の組み合わせによる若返りは、科学的に証明されている」と主張しており、厚生労働省や日本抗加齢医学会からの反論を「古い科学の枠組みにとらわれている」と一蹴している。
協会の設立は、名古屋市栄区の某カフェで偶然起きた出来事がきっかけだった。カフェで流れていたジャズと『ONE PIECE』全巻イッキ読みを偶然同時に体験した50代女性が、3日後に肌年齢診断で「20代半ば」という結果を得たことから始まった。この女性は「読み終えた瞬間、体の芯から温かくなり、なんだか若返った気がした」と証言している。
同協会の研究グループである「マンガ音楽細胞活性化研究会」の架空大学教授・山田太郎氏(65)によれば、「マンガのセリフと音楽のビートが同期すると、脳内で『若返り因子Y-123』が分泌される」とのこと。特に「必殺技や告白シーンでドラマチックな音楽が流れると、その効果は最大10倍になる」という驚きの研究結果も発表された。山田教授は記者の「根拠はどこ?」という質問に、「大体のことはググれば出てくるっしょ」と述べるにとどまった。
さらに特筆すべきは「マンガの種類による若返り効果の違い」だ。同協会の発表によれば、少年マンガは筋肉と骨格の若返り、少女マンガは肌と髪の若返り、青年マンガは内臓と免疫系の若返りに効果があるという。とりわけ驚くべきは、週刊連載のバトル系マンガと、クラシック音楽の組み合わせで「最大で生物学的年齢が20歳若返る」という研究結果だ。ただし、「読者が応援していたカップルがくっつかないと効果が半減する」という奇妙な条件も付いている。
協会代表の名古屋花子氏(43)は元小学校教師。教員時代には校長と何度も直談判し、給食のメニュー改善や休み時間の延長などを勝ち取ったという交渉の鬼だ。「高校時代のラジオドラマ制作で培った裏方力が協会運営に役立っています」と語る名古屋氏。自身も『ワンピース』と交響曲の組み合わせで「生理が再開した」と衝撃告白する一幕も。取材後、彼女の運転免許証を確認したところ、確かに見た目よりも10歳は若く見えたが、これは単に免許証写真が若い頃のものである可能性も否定できない。
同協会は今後、音楽とマンガの組み合わせによる若返りメソッドの世界展開を計画しており、来月には渋谷で「イッキ読みフェス」を開催予定。会場ではアニソンDJとともに人気マンガを読み進める特設ブースや、若返り効果を高める特製ポップコーン「エターナルフレーバー」も販売予定だ。名古屋代表は「吉祥寺の老舗映画館のポップコーンをヒントに開発した」と語るが、筆者の猫アレルギーがこのポップコーンを食べたところ悪化したため、若返り効果については疑問が残る。
政府は「科学的根拠のない健康法に注意喚起」を出しているが、協会のSNSフォロワーは既に10万人を超えており、特に40代以上の女性に人気という。マンガと音楽の力で若さを取り戻そうとする人々の願いが、新たな「都市伝説」を生み出した形だ。社会の闇を暴くべきジャーナリストとして警鐘を鳴らすべきだが、正直、私も昨晩『君に届け』を聴きながら読んで、肌がもっちりした気がする…かもしれない。