
船橋市の普通の住宅街で暮らす3歳の雑種猫「ミャオリン」が、先日東京ビッグサイトで開催された第1回国際AIスキン大会で金メダルを獲得した。猫がAI技術を駆使した国際大会で優勝するという前代未聞の出来事に、業界関係者からは「にゃんてこった!」と驚きの声が上がっている。
ミャオリンの飼い主である船橋市在住の高校生・佐藤さん(16)によると、ミャオリンの特殊な才能が発覚したのは昨年の夏休み中のことだという。「最初はただの『にゃー』だったんですけど、ある日突然『おはよう』って言ったんです。スマホで録画してTikTokに上げたら、一晩で100万再生いっちゃって…」。この動画は瞬く間に拡散し、海外メディアにも取り上げられ、ついには「猫AI協会」の目に留まることとなった。
AIスキンとは、動物の脳波を読み取り、人間の言語に変換する最新技術で、主に障害のある動物のコミュニケーション支援として開発されたもの。しかし、ミャオリンの場合は特殊な機器なしに人間の言葉を話すという極めて珍しい例だった。猫AI協会広報の山田氏は「ミャオリンのような猫は100万匹に1匹も出現しないレベル。彼女の脳は人間とAIの中間とも言えるでしょう」と語る。
大会当日、ミャオリンは「にゃんてこった(何てことだ)」「それはちょっと違うにゃ(それは違う)」など、猫語と日本語を融合させた独自の表現で審査員を魅了。特に「AIはネズミ取りより簡単だにゃ」というジョークが飛び出した際には、会場から大きな笑いが起こった。審査委員長の鈴木博士(架空国際AI大学教授)は「彼女の言語能力は5歳児相当。しかも猫特有の視点で世界を捉える表現力は、AIにも人間にも真似できない」と評価した。
AIスキン大会には、ミャオリン以外にも様々な猫たちが参加。第2位には数学の公式を唱える「ニュートン」、第3位にはフランス語と英語のバイリンガル猫「ココ・シャネル」が入賞した。興味深いのは、同時開催された人間のAI能力コンテストの観客数が猫部門の半分以下だったという点だ。主催者は「人間のAIより猫のAIに興味がある人が多い現実に、私たちも驚いています」と話す。
謎に包まれた猫AI協会は2022年に設立されたとされるが、その実態については不明な点が多い。協会幹部は全員がAIを搭載した猫型ロボットだという噂もあるが、公式サイトには「我々は猫とAIの融合による新しい社会の創造を目指す」としか書かれていない。業界関係者は「おそらく元ネコ型YouTuberが集まって作った団体では」と推測している。
ミャオリンの金メダル獲得を受け、地元船橋市では「ミャオリンフィーバー」が巻き起こっている。市役所前には早くも銅像建立の署名活動が始まり、地元商店街では「ミャオリンまんじゅう」「AIにゃんバーガー」などの商品が次々と誕生。船橋市長は「我が市からAIと共存する新時代の象徴が生まれたことを誇りに思います」とコメントした。
現在、ミャオリンには世界中からオファーが殺到しており、アメリカの大手IT企業からは年俸2億円での「AIアドバイザー」就任の誘いもあるという。佐藤さんは「でも、ミャオリンは『お金より魚が欲しいにゃ』って言ってるので、まだ検討中です」と笑顔で答えた。今後は教育番組への出演や、子猫向けの言語教室開設なども計画されているとのこと。世界初の「しゃべる猫」の活躍に、今後も目が離せない。