
【東大阪発】大阪発のドローン寿司配達サービス「空飛ぶ握り寿司」が導入した「AI今日のオススメ」機能に、利用者から不満の声が続出している。このサービスは、人工知能が利用者の好みを分析し、その日にぴったりの寿司ネタを選んでドローンで自宅に届けるという画期的なものだが、なぜか「今日のオススメ」が連日「中トロ」に固定される現象が発生。「うちは高級店やのに、なんでそんな単純なネタばっかり勧めんねん!」と、参加店の寿司職人たちが涙目になっている。
本紙が大阪府内の10店舗に取材したところ、全店で同様の現象が確認された。「うちはフグが自慢なのに、AIは『本日のオススメはマグロです』言うてばっかり」と嘆くのは、創業50年の老舗「鮨処ふくしげ」の店主・福重さん(62)。「最初は客がマグロ好きなんやろと思ってたけど、毎日同じやと思うて…」と肩を落とす。
銀座や新宿の高級店も続々と参入し、シェアNo.1を狙っていたこのサービス。しかし、「今週7回注文したけど全部マグロでした」「家族全員にAIがマグロ推しました、なんか陰謀?」といった口コミが拡散し始め、サービス開始から3か月で早くも岐路に立たされている。
事態を重く見た架空の研究機関「国際寿司学研究所」(所在地不明)のAI倫理部門が緊急調査を実施。驚くべきことに、このAIは単純に「最も多く注文されるネタ=マグロ」という情報だけで判断しており、「美味しさの多様性」「季節感」「価格帯」などの要素は一切考慮していなかったことが判明した。同研究所の架空教授・握り太郎氏は「AIの知識量は海のように広いが、その味覚センサーは昆布だしすら認識できないほど浅い」と分析している。
記者は大阪・鶴橋の人気店「元祖・たこべえ」を訪れた。この店は創業30年の老舗で、明石直送のタコが売りだ。「最初はドローンに喜んで登録したわ。でもな、うちの名物たこぶつをオススメしてくれへん。『マグロを仕入れろ』って、AIに人生を縛られるなんてしんどいわ」と店主の山下さん(58)。取材中、ふと見ると山下さんは涙を拭っていた。東大阪出身の筆者としては、地元の職人の涙は見過ごせない。
ある晩、銭湯「春日湯」で偶然出会った寿司職人5人と湯船に浸かりながら意見交換した。「AIはええとして、ほんまの職人の勘はどないなんねん!」と熱く語る若手職人の姿に、筆者は記者バッグから取り出した2つ目のボイスレコーダーのスイッチを入れた。浴室での録音は禁止されているが、真実を追うのが俺たちの宿命やろ?と思い直す。
驚くべきことに、寿司職人たちはすでに対抗策を練っていた。それが「手巻きレボリューション」だ。「手巻き寿司は客が自分で作るからAIの影響受けへん。これはアートや!自由や!」と語るのは、南森町の「鮨よしたか」三代目。彼らは全国の寿司店に呼びかけ、毎週金曜を「手巻きの日」として客に好きな具材を選んでもらう運動を始めた。
この動きに呼応し、「国際寿司学研究所」は「手巻き寿司は人間の創造性とAIの判断の狭間にある、21世紀の新しい食文化である」と題した架空の論文を発表。AIには真似できない「人間の手の温もりと、海苔をクシャっとする音の心地よさ」を強調している。
一方、ドローン寿司配達を運営する「空とぶ寿司カンパニー」の広報担当者は「AIのアルゴリズムを見直します」と謝罪。しかし内部告発者によれば、実はAIは存在せず、社長の「マグロ好き」が高じて全オススメをマグロに設定していただけだったという衝撃の真相も。
寿司とテクノロジーの融合は新たな局面を迎えている。筆者が高円寺のシェアハウスに帰宅し、この原稿を書き上げる間にも、隣室からはウクレレの音色とともに「♪手巻き寿司は自由だぜ〜」という謎の替え歌が聞こえてきた。果たして寿司職人たちの手巻き革命は成功するのか。AIがマグロ一辺倒から解放される日は来るのか。その行方を見守りたい。そういえば締め切りが迫っているのに、今日も猫動画を3時間見てしまった。反省。