
愛知県大府市に完成したばかりの「東海ロケット発射センター」から昨日午後3時、世界初の「金ごま宇宙ロケット」が打ち上げられた。このロケットは、従来のロケット燃料ではなく、圧縮した金ごまを推進力として使用するという画期的な試みだ。プロジェクトを主導する民間団体「セサミスペース研究センター」によると、宇宙空間で金ごまの香ばしい香りを放出し、国際宇宙ステーション(ISS)で「地球の香り」として宇宙飛行士のホームシックを和らげる効果を期待していたという。
「なぜ金ごまなのか」という疑問に対し、同センターの花山ゴマ太郎主任研究員(肩書き自称)は「愛知県の名産、金ごまを宇宙に届け、宇宙食革命の先駆けにしたかった」と熱く語った。私も愛知県名古屋市出身として、実家の祖母が毎年手作りするごまだれで食べる名古屋名物「手羽先」を思い出し、胸が熱くなった。思えば祖母は「ごまは健康にいいんだよ」と言いながら、大量のごまを擦り鉢で潰していた。その記憶がなければ、この突拍子もない記事の取材に向かうことはなかったかもしれない。
しかし、打ち上げから約15分後、予想外の事態が発生した。ロケットから分離されたカプセルが予定より早く地球に帰還し始めたのだ。同センターの緊急会見によると、宇宙空間での気圧変化によって金ごまが予想以上に反応し、「香ばしさの連鎖反応」が起きたという。結果的に、ロケットは大気圏に再突入し、半径15km圏内に「香ばしい金ごまの香り」をまき散らす結果となった。JAXAの専門家は「宇宙物理学的には説明がつかない現象」と首をかしげている。
この異例の事態を受け、空気清浄機メーカー「ブリーズライフ社」が素早く反応。打ち上げ翌日には「宇宙の香ばしさをキャッチする新型空気清浄機」の開発をプレスリリースし、スポンサーとして名乗りを上げた。同社広報部は「偶然にも金ごまの香り成分を吸着する新フィルターの開発に成功したところだった」と語るが、この絶妙なタイミングに疑問を抱かざるを得ない。私が取材中に社屋近くのコンビニで買ったおにぎりにも金ごまがトッピングされており、この一連の動きに何らかの陰謀を感じずにはいられなかった。
「セサミスペース研究センター」の実態を調査すると、愛知県の廃工場を改装した施設で、所属する研究員の多くは「宇宙ごま学博士」「惑星調味料力学修士」など、明らかに創作と思われる学位を持つ人物で構成されていた。センター代表の白石ごま夫氏(68)は「我々は宇宙とごまの可能性を信じている」と語るが、取材中も白衣の袖からごまがこぼれ落ちる様子が確認された。なお同センターのウェブサイトは先月開設されたばかりで、閲覧数はわずか32回だった。
この一連の出来事は、奇しくも先週発覚した「予算ごまかし疑惑」で揺れる地方議会の動きと重なる。地元政治家A氏は「我々の問題と宇宙ごまは無関係だ」と否定するが、両者とも「ごまかし」の技術で注目を集めている点で共通している。私が大学時代に政治学ゼミで学んだ「注意逸らしの政治手法」を思い出さずにはいられない。そういえば、当時の恋愛対象だった隣の席の彼も、授業中に私の質問をごまかすのが上手だった。結局彼とは実らなかったが、今思えばそのごまかしテクニックこそ、現代社会を生き抜く術なのかもしれない。
予想外の「香ばしい香り」の帰還は、皮肉にも金ごまブームを引き起こしている。地元スーパーでは金ごまが品切れ続出し、SNSでは「#宇宙ごま」「#香ばしい地球」などのハッシュタグが流行。料理研究家たちは競って「宇宙帰り風金ごまレシピ」を公開し、ある飲食チェーンでは「宇宙の香り金ごまラーメン」が期間限定で登場した。ごま関連株は軒並み上昇し、市場関係者は「ごま相場が史上最高値を更新した」と驚きを隠さない。
「セサミスペース研究センター」は今回の失敗にもめげず、来年には「黒ごまロケット」の打ち上げを計画している。今度は「宇宙の暗黒物質と黒ごまの相互作用」を研究するというが、専門家からは「完全に意味不明」との声が上がっている。結局のところ、この一連の出来事は壮大な「ごまかし」だったのかもしれないが、多くの人々に笑顔と話題を提供したことは間違いない。香ばしい失敗が私たちに教えてくれたのは、日常の食材も見方を変えれば宇宙の可能性を秘めているということなのかもしれない。