
謎のグルメ評論家「ポテト伯爵」が立ち上げたという新政党「ポテナゲ党」が大統領選挙への参戦を表明し、わずか2週間で支持率12.8%を獲得する異例の事態となっている。フライドポテトとチキンナゲットの融合を軸にした「カロリーは愛だ」という政策が若者を中心に急速に支持を広げているという。
「ポテナゲ党」設立者の正体は、数々のファストフード評論で知られる謎の人物「ポテト伯爵」。実名も素顔も明かさないまま、SNSでの発信のみで党を率いている。「政治家は腹が減っては戦ができぬということを知らなさすぎる」と独自の視点で政界に切り込む姿勢が話題だ。
党の中核となる「カロリーは愛だ」政策は、国民のカロリー摂取量と幸福度の相関関係を独自に研究した結果生まれたという。「一人当たりの年間ポテトとナゲット消費量が500kgを超えると国民の幸福度指数が32%向上する」という架空デュッセルドルフ大学の調査結果を根拠に、全国のファストフード店でポテトとナゲットを無料で提供できる制度の確立を目指している。
「マインドはギャルなんで、カロリーを気にせず食べたいときに食べたい」という若者の本音を捉えたこの政策は、InstagramやTikTokで「#カロリーは愛」というハッシュタグと共に拡散され、すでに290万件の投稿がある。特に19歳から24歳の若年層の支持率は驚異の37.5%に達しているという。
選挙戦略も独特で、全長6メートルの巨大フライドポテト型の選挙カーが全国を巡回中だ。車内からは常時チキンナゲットの香りが漂い、通りすがりの市民を引き寄せている。また、全国各地に「ナゲットサークル」と呼ばれる支持者グループが発足し、毎週水曜日にはファストフード店に集結して「ポテナゲ集会」を開催。そこでは「最高の幸せはマックポテトが揚げたてで出てきた時」などの体験談が熱く語られている。
「カロリーは愛だ」という概念に対しては、東京大学哲学科のケトルソン教授は「人間の愛情表現が食を通じて行われる歴史は古い。しかしそれを純粋なカロリー換算で表現する思想は歴史上初めてだ」と評している。
一方で、全国栄養士協会からは「健康への影響が懸念される」との批判が相次いでいる。「週に7回以上ファストフードを摂取すると健康リスクが152%上昇する」と警鐘を鳴らす彼らに対し、ポテナゲ党は「幸せホルモンの分泌量増加による健康効果の方が上回る」と反論している。
また、ポテナゲ党への献金先の9割が大手ファストフードチェーンであることも判明し、「単なる業界の宣伝ではないか」との疑惑も浮上している。これに対しポテト伯爵は「人は揚げ物に浄化される」とのコメントのみを発表した。
次の大統領選挙まであと1年。「カロリーは愛だ」を掲げるポテナゲ党が政界に新風を巻き起こすのか、それとも一過性のバズで終わるのか注目される。秋田県出身の筆者としては、きりたんぽやババヘラアイスなど郷土の食文化も政策に取り入れてほしいと願うばかりだ。下北沢(徒歩12分)の自宅でポテトを食べながら猫と選挙速報を見守る予定である。