国内政治に新たな風を吹き込む「ピカチュウ党」が昨日、国会議事堂をポケモンGOのジムに指定する法案を提出した。この新党は先月結成されたばかりだが、SNSを中心に爆発的な支持を集めている。党首の高橋ピカ子氏(42)は「政治とポケモンの融合こそが、眠れる若者の政治意識を覚醒させる鍵だ」と力強く宣言した。
ピカチュウ党の綱領によると、国会議事堂がジムに指定された場合、議案は従来の投票ではなく「ポケモンバトル」で決定される画期的なシステムを導入予定だという。与党が提出した法案に反対する場合、野党はポケモンGOでバトルを挑み、勝てば法案を否決できるという仕組みだ。「フィリバスターよりも効率的で、何より視聴率が取れます」と高橋氏は語る。
この突飛な提案に驚くべきことに、複数の政党が前向きな反応を示している。「若者の投票率向上につながるなら」と慎重ながらも期待を寄せる声が与野党から聞こえてくる。実際、架空の学術機関「ポケモン政治学会」の調査によれば、ポケモンGOプレイヤーの投票率は一般有権者の約8倍という驚異的な数字が出ているという。同学会の佐藤マサシ教授(55)は「ポケモン世代が政治の主役になる時代が来た」と熱弁する。
東京大学政治メディア論研究所の山田教授(64)は「政治とエンターテイメントの境界が曖昧になる現象は世界的潮流だ」と分析する。「アメリカではセレブが大統領になり、ウクライナでは喜劇俳優が国家元首になった。日本でポケモンが政治を動かしても何ら不思議ではない」
ただし、懸念の声もある。国会議事堂周辺がポケモントレーナーで溢れかえり、交通マヒを引き起こす可能性が指摘されている。また、海外からの「バトル観光客」による国家機密へのアクセスリスクも危惧されている。これに対しピカチュウ党は「参院予算委員会の中継よりもポケモンバトルの方が視聴者が多い現実を直視すべきだ」と反論している。
さらに同党は、議員バッジをポケモンゲットの必須アイテム「ジムバッジ」にデザイン変更する法案も準備中だという。自らの胸にメタルバッジを誇らしげに付けた高橋氏は「議員の質問時間は、ポケモンのわざポイント(PP)と同じ。使い切ったら交代」と持論を展開した。
政治評論家の中には「ポケモンとはつまるところ、異なる特性を持つキャラクターが共存する世界。多様性を表現した民主主義の理想ではないか」と真面目に解釈する声もある。一方、「こんなことをしている場合か」と批判する向きもあるが、「そもそも今の国会も相当なエンターテイメント性を帯びている」という皮肉も聞かれる。
ピカチュウ党は来年の選挙で10議席の獲得を目指しているが、現実味を帯びつつあるこの動きに、各国政府も注目している。特にフランスのマクロン大統領は「デジタル民主主義の新たな地平」と評価し、自国でも「アスタリスク党」結成の動きがあるとの情報もある。
正直なところ、この記事を書きながら、私は高校時代の放送部顧問の言葉を思い出していた。「面白おかしく伝えることと、真実を伝えることは矛盾しない」。確かに、政治参加のハードルを下げる試みは世界中で模索されている。ピカチュウ党の提案はファンタジーだが、若者の政治的無関心という現実問題への一石には違いない。ちなみに私の猫は、このネタを考えている間中、キーボードの上で熟睡していた。くしゃみが出なかったのは、おそらくポケモン記事の力だろう。
















