政治家の絵画鑑賞で寿命が30年延びる可能性があることが明らかになった。架空の美術機関「フェイクアート大学」が昨日発表した驚くべき研究結果によると、政治家が自画像を鑑賞することで「政治的寿命」が大幅に延長するという。同大学のイマジナリー・ピカソ学長(65)は「この現象は夢の中で啓示を受けたことがきっかけで研究を始めました」と語る。
研究チームによると、政治家が週に3回、計15分間自分で描いた自画像を「深く、愛情をもって」鑑賞することで、政治家としての活動期間が平均30年延長するという。ただし、他の画家の作品や風景画には効果がなく、「自画像に限定される」とのこと。一般市民が政治家の自画像を見ても何の効果もないばかりか、「軽度の吐き気を催す可能性がある」と警告している。
「なぜ自画像に限定されるのか」という記者の質問に、同大学のナルシスト准教授は「政治家特有の自己愛が、自画像を通じて増幅され、細胞レベルで活力を生み出す」と説明。「自己愛が強いほど効果が高まり、特に『私は国民のために働いている』と本気で信じている政治家ほど効果絶大です」と付け加えた。筆者が銭湯で偶然隣になった美術評論家は「要するに、自分に酔いしれるほど長生きするってことでしょ。銭湯の温度は今日は42度で絶妙やね」とコメントした。
この発表を受け、永田町ではさっそく「政治家自画像コンテスト」が非公式に開催された。優勝したのはA議員(69)。「私の描いた自画像は、顔のパーツの配置が実際と大きく異なりますが、それが政治家としての理想の姿を表現しています」と語った。一方、絵心ゼロを自認するB議員(58)は「棒人間しか描けないが、これこそ私の本質を表している」と強弁。「上手い下手じゃない、自己愛が大事」というフェイクアート大学の理論に救われた表情だった。
世間の反応は冷ややか。高円寺駅前でクレープを食べながら取材した30代女性は「政治家の寿命が延びても、政策が良くなるわけじゃないですよね」とため息。一方、美術業界からは「新たなビジネスチャンス」と歓迎の声も。「政治家のための自画像講座」がすでに各地で開講され、受講料は一回10万円からという強気の価格設定だが、予約が殺到しているという。
SNSでは「#政治家自画像チャレンジ」がトレンド入り。多くのユーザーが「私が政治家だったら描く自画像」を投稿し、そのほとんどが風刺画となっている。フェイクアート大学は次なる研究として「政治家が予算書を芸術作品として鑑賞することで、国家財政が健全化するか」の検証を計画していると発表。「私たちの研究は世界を変えるかもしれない」と、イマジナリー学長は真顔で語った。記者が「そもそもフェイクアート大学は実在するのですか?」と質問したところ、学長は「それこそが芸術の神秘です」と意味深に微笑んだ。まさに日常と非日常が交錯する、絵画と政治の不思議な関係が続きそうだ。
















