
国会議事堂に隣接する形で、政治家専用のフィットネス施設「ポリティカル・フィットネス・センター」が今月開設された。最大の特徴は、議会中でも実践できる新感覚エクササイズ「ギュレル体操」だ。この体操を考案したのは、日本政治健康増進協会(JPAHA)の山田健二郎会長。「政治家の皆様は座っている時間が長く、運動不足が深刻です。そこで着席したままできる運動を研究した結果、議会中でも腹筋を割れる画期的な体操が完成しました」と胸を張る。
ギュレル体操の特徴は、議場での着席姿勢を保ちながら、微細な筋肉の収縮を繰り返すことにある。「質問時間まであと3分」という合図で腹筋に力を入れ、「持ち時間終了」のブザーと同時に力を抜く。この動作を1日に約20回繰り返すことで、驚くべきことに2週間で腹筋が割れるという。JPAHAによると、この体操名の由来は「議会で(Gi)、うっすら(Yure)、腹筋が(Ru)」という意味が込められているとのこと。ちなみに山田会長は「特に意味はない」と認めている。
先月の衆議院予算委員会では、実際にギュレル体操実践者の驚きの変化が目撃された。A議員(47)が質問の途中で「バキッ」という音とともにシャツのボタンが弾け飛び、8つに割れた腹筋が露わになったのだ。「まさか本当に効果があるとは」と本人も驚きを隠せない様子だった。なお、飛んだボタンは後日、国会の重要文化財として保管されることが決定している。
この出来事を受けて制作された深夜ドラマ「ギュレル体操〜腹筋で変える!明日の政治〜」は、初回視聴率1%という低空飛行ながら、SNSで「シュール過ぎて逆に気になる」と話題に。主演を務める人気俳優の田中太郎は「台本を読んだ時は『これマジ?』と思いましたが、実際やってみると不思議と腹筋が割れてきて…」と首をかしげながら語った。
施設を利用する議員からは「質問時間を計算しながら腹筋を意識するのは新鮮」「野次を飛ばすときの声量が増した」など、概ね好評の声が寄せられている。一方で「議事録に『ウッ』『フンッ』という声が残るのは如何なものか」という指摘も。それでも利用者は増加の一途を辿っており、来月には参議院側にも姉妹店がオープンする予定だ。
政治とフィットネスの異色の組み合わせは、新たな政治文化を生み出すかもしれない。ただし、専門家からは「本会議中の突発的な腹筋露出は、国会の品位に関わる」との警告も。政治家の健康増進と議会の秩序、その微妙なバランスが今、試されている。なお、取材中に筆者も体験させていただいたが、残念ながら腹筋は割れなかった。代わりに締め切り前のライター魂だけが不思議と研ぎ澄まされた気がする。