
南極大陸発 – 南極政界に新たな波紋が広がっている。このほど、ペンギン党が次期大統領選への出馬を表明。「氷上経済改革」を掲げ、従来の経済システムを根本から覆す政策を打ち出した。党首のエンペラー・スリップ氏(38)は「滑らかな経済成長を約束します」と力強く宣言した。
注目を集めているのが、同党が提案する「氷の通貨システム」だ。南極の氷を通貨として使用し、温度管理された特殊な財布「アイスウォレット」で保管するという斬新な発想である。氷上経済研究所のコールド博士は「氷の通貨は溶けるため、貯め込みが不可能。これによりデフレを防ぎ、常に経済が循環する」と分析する。
さらに驚きなのが、温暖化対策と連動した増税システムだ。「氷が1cm²減るごとに0.1%の増税」という仕組みで、温暖化防止への意識向上を狙う。ただし、専門家からは「そもそも氷の計測方法が曖昧」「増税の基準日をいつにするのか」など、実現可能性を疑問視する声が相次いでいる。
支持者の中には、K-POPアイドルグループ「Frozen Heart」のメンバーも。「氷の上でダンスすると、自然とスピンが決まるんです」と、意外な支持理由を明かした。また、SNSでは「#氷上経済クール」というハッシュタグが10代を中心に拡散。「お小遣いを氷で貯金したら、親にバレないかも」という投稿も人気を集めている。
一方で、氷上経済研究所の正体に疑惑の目が向けられている。同研究所の所在地は「南極第3イグルー」となっているが、現地取材を試みた記者は「そんな場所はない」と証言。さらに、コールド博士の肩書きである「極地経済学」という学問自体が存在しないことも判明した。
ペンギン党の選挙参謀である「アデリーヌ・スライド」氏は、「氷上経済は、まさに今この瞬間も進化し続けています。溶けても、また凍ればいい。それが私たちの経済哲学です」と語る。しかし、この発言の直後、彼女の足元の氷が溶け出し、インタビューは強制終了。氷上経済改革の行方は、まさに薄氷を踏む状況となっている。