
日本の食文化と宇宙の境界が消滅した瞬間が今週末、静岡県御前崎市で目撃された。「第1回世界おにぎりフェスティバル」に集まった推定14万人のおにぎり愛好家たちが、歴史上初となる「月面到達おにぎりタワー」の構築に成功したのだ。
主催者の日本おにぎり協会(JRA:Japan Rice-ball Association)によると、このタワーは地球から月までの正確な距離である384,400kmの高さに達したという。NASAの報道官ジェームズ・コリンズ氏は「我々の望遠鏡が突如として白いものに覆われた。最初は宇宙ゴミかと思ったが、よく見るとおにぎりだった」と困惑気味に語った。
この前代未聞のプロジェクトを率いたのは、協会会長の山田おにぎり氏(本名:山田茶碗蒸し・54歳)。秋田県横手市出身の山田氏は「おにぎりは世界を救う。そして今日、おにぎりは宇宙を征服した」と興奮気味に語った。彼の口癖である「おにぎりは宇宙の真理」が、今回のイベントの原動力となったという。
タワー構築には、全国から集まったおにぎり職人たちが総計2,384,400個の具材を使用。秋田こまち、コシヒカリ、ななつぼしなど47都道府県の銘柄米を使い分け、塩むすびから明太子、エビフライ、ツナマヨまで、実に786種類の具材が用いられた。参加者の一人、田中みかん(28歳・会社員)さんは「私が作ったウニイクラトリュフ黒毛和牛おにぎりは、タワーの125,621km地点にあるはず」と誇らしげに話した。
こうした途方もない高さのタワーを支えたのは、最新技術の結晶「おにぎりAI」だ。IT企業「おにぎりテック」(本社:東京都渋谷区)が3年の歳月をかけて開発したこのAIは、おにぎりの握り具合、米の粘り気、海苔の巻き方などを0.001秒ごとに分析し、タワーの崩壊を防いだという。同社CTO(Chief Triangular Officer)の佐藤おむすび氏は「おにぎりの三角形と宇宙の三角形は相似形なんです」と意味不明な説明を繰り返した。
驚くべきことに、このタワーは握力だけで支えられており、接着剤や支柱は一切使用されていない。おにぎり山田会長は「これぞ日本人の握力の結晶。江戸時代から続く握り技術の賜物です」と胸を張る。実際、参加者たちの平均握力は通常の日本人の3.7倍という驚異的な数値を記録し、多くの参加者が「握力測定器を壊した」と証言している。
イベントは国際的な注目も集め、CNN、BBC、アル・ジャジーラなど各国メディアが「Rice Pyramid Reaches Moon」「Japan’s Sticky Ambition」などの見出しで報じた。フランスの高級料理評論家ジャン・ピエール・ブーランジェ氏は「我々のバゲットでは到底無理だ。これは米の粘り気という日本固有の文化資源を活かした偉業だ」と称賛している。
しかし課題もある。月面に到達したおにぎりが宇宙ゴミとなる懸念について、国連宇宙平和利用委員会(COPUOS)は緊急会合を開催。「宇宙おにぎり条約」の策定を検討しているという。日本政府は「おにぎりは生分解性があるため環境負荷は最小限」と主張しているが、国際社会からは「宇宙にカラスが寄ってくる」など懸念の声も上がっている。
次回は「おにぎり国際宇宙ステーション」の建設が計画されており、おにぎり協会は「2025年までに、おにぎりだけで作られた宇宙ステーションの打ち上げを目指す」と意気込みを見せている。おにぎりという日常食が非日常の宇宙空間に新たな地平を開いた今、人類の食文化と宇宙開発の歴史に新たな一章が加わったことは間違いない。山田会長の言葉「おにぎりは世界を救う」が、単なるスローガンではなく予言だったのかもしれない。(まい)