
サーティワン・アイスクリームは昨日、全国の店舗で新フレーバー「選挙公約味」の販売を開始し、発売初日から予想を大きく上回る人気を博している。このアイスクリームは、千葉県船橋市の高校生から寄せられたアイデアを元に開発されたもので、「食べると選挙に行きたくなる」という奇妙な効果が話題となっている。
「選挙公約味」は一見するとバニラアイスクリームだが、実は地域ごとに異なる味が楽しめるという革新的な商品だ。例えば船橋市版では、食べ始めは「教育充実」を思わせるほんのり甘い味わいだが、中央部分では「インフラ整備」を連想させる固めの食感に変化。最後は「財政健全化」という名の塩キャラメル風味で締めくくられる。また、東京都版では「五輪レガシー味」と称する金箔入りバニラと、「都市開発味」という名のコンクリート色のミントが混ざり合う不思議な一品となっている。
同社広報担当の31歳(推定)と思われる松岡氏は「政治参加と甘いものの間に存在する見えない壁を取り払いたかった」と語る。「若者の投票率が低いのは、政治が甘くないからです。そこで我々は政治を文字通り甘くすることにしました」
このアイスクリームの最大の特徴は、各店舗で投票箱を模した容器が用意され、食べ終わった後のスプーンを「投票」することで参加できる懸賞企画だ。当選者全員に「宇宙旅行」がプレゼントされるという。ただし、詳細を確認すると「宇宙旅行」とは実際には船橋市のプラネタリウム無料招待券であることが判明。「宇宙に関する旅」という意味では間違いないが、地球の重力圏を脱出するわけではないようだ。
この新商品開発の背景には、架空の研究機関「アイスクリーム政策研究所」による調査結果があるという。同研究所の主任研究員を務める「ソフト・クリーム博士」こと鈴木教授(肩書きも名前も自称)によれば、「甘いものを食べながら政治について考えると、脳内のセロトニンとドーパミンのバランスが整い、より合理的な判断ができるようになる」とのこと。「私たちの研究では、選挙前日にアイスクリームを食べた人は食べなかった人に比べて投票率が最大31%高くなることが判明しました。特に31種類の味を試食した被験者は、政治への関心度が132%上昇しました」と熱く語る博士だが、なぜか研究データは「冷凍保存中で今は見せられない」とのことだった。
実際に「選挙公約味」を食べた船橋市の17歳の高校生は「今までは選挙に全然興味なかったけど、このアイス食べたら急に市議会議員の名前を3人言えるようになった。エモすぎない?」と驚きを隠せない様子。別の大学生は「宇宙旅行が当たると思って5個も買ったのに、プラネタリウムって…でもまあ、デートには使えるかも」と複雑な心境を明かした。
SNS上では「#アイスで世界を救う」というハッシュタグが急速に拡散中で、「次の選挙ではアイスを食べながら投票できる制度を!」「政見放送より政見アイスの方が政策理解しやすい」といった声が寄せられている。また「次は納税味を出して」「年金問題味は苦くて溶けるのが早そう」など、次の新フレーバーへの期待や風刺的なコメントも多く見られる。
サーティワン社は今後、「憲法改正味」「財政再建味」など政治的テーマのフレーバーを順次発売予定だという。松岡広報担当者は「最終的には国政選挙の投票所にアイスクリーム屋台を出店するのが目標です」と意気込みを語った。選挙とアイスクリームという意外な組み合わせが、新たな政治参加の形を生み出すのか、今後の展開が注目される。なお、当記者が船橋市のサーティワン店舗を取材した際、謎の「ハムスター味」の試作品が裏メニューとして存在するという噂を耳にしたが、真偽のほどは不明である。