
宇宙選挙管理委員会は本日、参議院選挙の比例代表で当選した全議員に「月面別荘」をプレゼントすると発表した。同委員会によると、「地球の政治はもう限界。たまには月から地球を見て、大局的な視点で政治を考えてほしい」という狙いがあるという。プレゼントの対象となる別荘は、月の表側に位置する「静かの海」地区の高級住宅地で、各戸約100平米。「地球ビュー」付きの広々としたテラスも完備されている。
この突然の発表に対し、各政党からは様々な反応が寄せられている。自民党の田中太郎議員(55)は「月面からであれば、地球全体を俯瞰して国益を考えられる。ぜひ活用したい」と前向きな姿勢を示した。一方、立憲民主党の山田花子議員(43)は「政府与党による新たな利権ではないか」と疑問を呈しつつも、「でも、行ってみたいかも…」とこっそり本音を漏らした。
月面別荘のスペックについても詳細が明らかになった。全戸「エアロック式防塵玄関」や「人工重力調整装置」を標準装備。また、窓からは「地球の出」が一望できるという。しかし問題は帰還方法だ。宇宙選挙管理委員会の発表によると、往路は委員会が用意する「議員専用ロケット」で無料だが、復路については「各自でご手配ください」とされている。
地球への帰還方法として委員会が提案しているのが「月面ドローン」サービスだ。これは直径3メートルほどのドローン型カプセルに乗り込み、地球の大気圏に突入するというもの。料金は片道980万円。「政治資金で落とせるかも」と期待する声も聞かれるが、安全性については「まぁ、なんとかなるでしょ」という曖昧な回答しか得られていない。
宇宙選挙管理委員会とは何なのか。取材を進めると、この組織は2022年に「地球の選挙はつまらない」という理由で結成された民間団体であることが判明。メンバーはすべて匿名で、委員長の「アルファ・ケンタウリ」を名乗る人物は「私たちは単なる宇宙好きの集まりです。たまたま月に10万エーカーの土地を持っていただけ」と話す。土地の取得経緯については「月面不動産バブル崩壊前に買った」との説明だった。
この発表を受け、一般市民の間でも「月面別荘ブーム」が巻き起こっている。不動産各社には「月面物件はありませんか?」という問い合わせが殺到。特に20代の若者からの関心が高く、「地球の家賃高すぎ問題」から逃れる選択肢として注目を集めている。ある不動産会社は早くも「月面物件専門部署」を設立。「地球から引っ越すなら、ムーンエステート」というキャッチコピーまで生み出された。
さらに、芸能界からも月面別荘への関心が高まっている。人気アイドルグループ「ギャラクシー48」のセンター・星野ルナさん(18)は「月でライブやりたい!重力の6分の1だから、ジャンプめっちゃ高くなるじゃん」と興奮気味に語った。また映画監督の黒澤銀河氏(62)は「月面を舞台にした新作を構想中」と明かし、「政治家の別荘をロケ地として使わせてもらえないか交渉中」だという。
宇宙選挙管理委員会は今後、火星や木星の衛星にも不動産開発を拡大する計画だという。同委員会の広報担当は「次の衆議院選挙では、当選者に『火星の海沿い一軒家』をプレゼントするかも」と意味深な発言をしている。政治と宇宙の異色の組み合わせが今後どのように展開していくのか、地球の政治家たちの動向とともに注目される。なお、月面別荘の固定資産税については「月には税務署がないので不要」とのことだが、将来的に「月面固定資産税」が新設される可能性も否定できないとしている。