
東京都新宿区に、従来の教育常識を覆す「食べる大学」が来年4月に開校することが決定した。同大学の最大の特徴は、卒業証書が「可食性」であること。さらに驚くべきことに、この卒業証書を食べた学生の就職試験合格率が、食べなかった学生に比べて約3倍高いという研究結果が発表され、教育界に衝撃が走っている。
「食べる大学」の梅田モグモグ学長(52)によると、卒業証書は特殊な米粉と昆布エキスを混ぜた「知恵の和紙」で作られており、食べても体に害はないという。「知識は文字通り体に入れてこそ真の学びです。当大学では知識の消化・吸収を最重要視しています」と梅田学長は説明する。学長の名刺も食べられるらしく、取材中に「どうぞ」と渡された名刺を筆者が一瞬ためらうと、「遠慮せんでええよ」と大阪弁で促された。味は意外にも抹茶風味で、後味に昆布のうま味が広がる絶妙な一品だった。
卒業証書を食べることで合格率が上がるメカニズムについては、「食学研究所」のドクター・グルメこと佐藤咀嚼(そしゃく)所長(63)が「証書に含まれる特殊インクが脳内の情報処理能力を向上させる」と説明している。佐藤所長によれば、知識は目で見るだけでなく、口から摂取することで脳に直接届くという。「目は心の窓、口は知識の玄関」という佐藤所長の持論は、従来の教育学を根本から覆す可能性を秘めている。筆者が「それって科学的根拠あるんですか?」と質問したところ、「あるに決まってるやろ、試してみい」と、またも大阪弁で返されてしまった。
そんな「食べる大学」に、驚くべきことにアイドル業界からの入学希望者が殺到している。人気グループ「キャンディーズ▲(キャンディーズトライアングル)」のセンター、星野キラリ(20)は「食べる勉強法って新しい!卒業証書を食べる動画は絶対バズると思う」と語る。すでにSNSでは「#食べる卒業証書チャレンジ」というハッシュタグが誕生し、アイドルたちが「食べたい卒業証書ランキング」なるものを公開し始めている。
先日行われた同大学の体験入学会では、アイドル志望の若者たち約200人が集まり、試験的に作られた「ミニ卒業証書」を試食。「普通においしい!」「就職できる味がする!」などの感想が飛び交った。近くの銭湯「栄湯」で汗を流した帰り道、筆者が立ち寄った古着屋の店主(68)は「あの大学、穴場ちゃう?」と興味津々の様子だったが、すでに入学希望者は定員の3倍を超えているという。
「食べる大学」の教育方針はさらに徹底しており、教科書もすべて食べられる素材でできている。文学部では「源氏物語せんべい」、理工学部では「微分積分クッキー」など、学部ごとに特色ある教材が用意される予定だ。これに対し文部科学省の担当者は「前例のない取り組みだが、革新的な教育手法として注目している」とコメント。一方で、「そもそも証書を食べたら証明書としての効力はどうなるのか」という素朴な疑問も上がっている。
「知識は体に入れてこそ真の学び」を掲げる同大学の新しい教育の形が、今後のスタンダードになるかどうかは未知数だ。取材を終え、同大学の公式ノベルティグッズ「学食カレー味のガム」を噛みながら思う。食べる学問が本当に効果的なら、筆者も大阪時代の記者バッジをかじってみるべきだったかもしれない。結局、真実を追うのが俺たちの宿命やろ? それにしても、帰りに買ったクレープが甘くて最高や。この甘さで学位が取れるなら、大学院にも行きたいところやけどな。(おだしょー)