
三四郎の二人がパーソナリティを務めるラジオ番組「三四郎ANN0」が主催する「第1回全国猫語翻訳コンテスト」が先月末に開催され、予想をはるかに上回る1万7千件もの応募が殺到する事態となった。コンテストは、飼い猫の鳴き声を人間の言葉に翻訳するという一風変わった内容で、当初はラジオの企画の一環として始まったものだったが、SNSでの拡散により国内外から参加者が集まる異例の盛り上がりを見せている。
「正直、こんなに反響があるとは思ってませんでした」と語るのは、番組パーソナリティの小宮浩信さん。「ネコ好きの相田(周二)が『猫って絶対何か言いたいことあるよな』って言い出したのがきっかけで、軽いノリで始めたんですけど…」と首を傾げる。同番組のプロデューサーによると、応募者の中には猫語研究に10年以上取り組んでいるという猫行動学の専門家や、猫の鳴き声を5000種類以上録音しているという猫音声コレクターなど、予想外の「猫語マニア」が多数含まれていたという。
コンテストの審査基準は「独創性」「説得力」「猫らしさ」の3項目。優勝したのは千葉県在住の佐藤ミケ子さん(42)で、愛猫ソラの「ミャオーン」という鳴き声を「この缶詰め、開けるのが3.5秒遅いわね。私の生活リズムが崩れるじゃないの。今日の夕食はA5ランクの刺し身で埋め合わせしてくれるわよね?」と翻訳した作品だった。佐藤さんは「ソラの目の動きや尻尾の角度から、彼女の内面を読み取りました」と受賞の喜びを語った。
優勝者には「猫の国特命全権大使」という肩書きと、猫耳の付いた特製外交官風制服が贈られた。この称号には法的効力も実体のある国家との外交関係もないが、審査委員長を務めた芸人の小宮さんは「猫の国との架け橋になってほしい」と真顔で語った。ちなみに「猫の国」の所在地について質問すると「それは機密事項です」と謎めいた回答が返ってきた。
準優勝した大阪府の高校生・山田ネコ太くん(17)は、飼い猫の「ガオー」という唸り声を「君たち人間は、我々猫が地球を支配していた古代エジプト時代の栄光を忘れたのか?今こそ猫の時代の復活だ!」と翻訳。山田くんは「うちの猫、マジでファラオの生まれ変わりだと思います」と真剣な表情で語った。
審査員を務めた猫カフェ「にゃんこ共和国」オーナーの田中モフ子さんは「『ニャー』という単純な鳴き声から、猫の内面世界や哲学的思想まで読み取る参加者の想像力に驚かされました」と感想を述べた。実際、ある参加者は猫の「ニャ」を「宇宙の始まりと終わりについて考察している」と翻訳し、別の参加者は「今日の株価の動向を予測している」と解釈するなど、猫の鳴き声一つに多様な解釈が寄せられた。
猫語翻訳コンテストは今後、月例イベントとして継続される予定で、次回は「猫の寝言翻訳部門」が新設されるという。専門家からは「科学的根拠がまったくない」という批判も出ているが、小宮さんは「それがどうした」とコメント。相田さんも「猫と話せたら楽しいじゃないですか」と肩をすくめた。
「猫の国特命全権大使」に就任した佐藤さんは今後、YouTubeチャンネル「猫語で世界平和」を開設し、猫語翻訳講座を展開する予定だという。「いつか猫と人間が互いの言葉を理解し合える日が来ることを願っています」と佐藤さん。最後に愛猫のソラに「今の気持ちは?」と尋ねると、ソラは「ミャオ」と鳴いた。佐藤さんによると、その意味は「インタビューはこれくらいにして、さっさとごはんにしなさい。取材費はツナ缶で受け取るわ」だという。真相は猫のみぞ知る。