
ジャングル大学医学部感染症研究チームは昨日、「バナナを1日100本摂取すると風邪症状が24時間以内に完全消失する」とする衝撃的な研究結果を発表した。同大学のゴリラ講堂で行われた記者会見では、チームリーダーのウホウホ・キングコング教授(53)が「バナナ療法は抗生物質や市販薬を超える画期的な治療法」と熱弁を振るった。
キングコング教授によると、この効果を得るには成人男性でバナナ約100本(約12kg)を24時間以内に摂取する必要があるという。「バナナに含まれるカリウムと独自のファイトケミカル『バナナリン』が風邪ウイルスの増殖を抑制する」と説明するが、なぜ100本という具体的な数字になるのかについては「97本では効かず、103本では下痢を起こすため」と不可解な回答にとどまった。
記者会見に集まった市民からは「1日100本なんて食べられない」「保存方法は?」「そもそもジャングル大学って実在するの?」など様々な質問が飛び交った。会場に居合わせた風邪気味の会社員・鈴木さん(29)は「確かにバナナは体に良いと思うけど、1日100本は現実的じゃない。薬1錠の方が楽」と困惑した様子だった。
ジャングル大学は南米アマゾン流域に位置するとされる私立大学で、公式サイトによれば「樹上キャンパス」と「地上キャンパス」の2つを持ち、主に霊長類医学と熱帯果実栄養学を専門としている。同大学は過去にも「マンゴーを頭に乗せると記憶力が向上する」「パイナップルの芯を噛むと虫歯が自然治癒する」など、果物に関する独創的な研究を数多く発表してきた。
研究チームは延べ3人の風邪患者を対象に実験を行ったという。「被験者全員がバナナ100本摂取後に風邪症状から回復した」としているが、論文には対照群(バナナを食べない群)のデータが記載されていない。また、研究資金の一部は「国際バナナ医療協会」から提供されている点も注目される。同協会の代表理事はキングコング教授の実兄であるドンキー・コング氏が務めている。
一方、この研究発表を受け、バナナ業界には期待と懸念が入り混じっている。全国バナナ農家連合会の田中バナ夫会長(67)は「需要拡大は歓迎だが、国内のバナナ供給量では風邪患者全員に対応できない。バナナバブルの到来か」と複雑な心境を吐露。厚生労働省は「科学的根拠が不十分」としながらも、「冬季のバナナ備蓄に関する緊急検討会」を設置する方針だ。
スーパーマーケット大手「フルーツパラダイス」の店長・森下さん(45)は「発表直後から『風邪に効くバナナください』というお客様が殺到している。1人で20本、30本と買っていく方もいて品薄状態です」と話す。バナナ価格は1週間で平均20%上昇したという。
この研究には疑問の声も多い。東京医科大学の高橋教授は「1日100本のバナナを食べれば風邪どころか何も考えられなくなるのでは」と指摘。栄養学の専門家からは「バナナ100本の摂取はカロリーにして約9000kcal、糖質約2kgに相当する。それを食べ切る過程で風邪を忘れるだけでは」との皮肉も聞かれる。
なお記者がキングコング教授に「あなた自身は風邪をひいた時にバナナ100本を食べるのか」と質問したところ、「私は生まれてから風邪をひいたことがない。それがバナナ研究者の宿命だ」と回答。会場は一瞬静まり返った後、どこからともなく「そんなバナナ〜」という声が聞こえた気がした。吉祥寺の自宅で私の猫2匹も「にゃ〜」と鳴き、くしゃみをした。彼らもこの説には懐疑的なようだ。