
リゼラジオが主催する「地球人VS宇宙人ディベート選手権」が、先日、宇宙と地球の境界線上に位置するという「中立ゾーン空間ステーション」で開催され、両星の代表が熱い論戦を繰り広げた。同イベントは、リゼラジオのディレクターが昨年末、TikTokで知り合った宇宙人「ズォーグ3世」との交流から生まれたという。
「最初は単なるフィルター加工かと思ったんですよ。でも触角が本物だと分かって」と語るディレクターの清水氏(42)。宇宙人との友情は、やがて「お互いの文明について討論しよう」という壮大な企画へと発展した。
地球代表として選出されたのは、名古屋市在住の高校2年生、佐藤翔太さん(16)。選考理由について主催者は「彼のTwitterアカウント『名古屋の裏側暴きマン』が宇宙人の間で大人気なんです。特に『なぜ名古屋人はひつまぶしを三段階で食べるのか』の考察が銀河系で100万いいねを獲得しました」と説明した。
対する宇宙側代表は、アンドロメダ銀河から来たという「クリック・ブズッ・ワープ」氏。直立すると約4メートルという体格で、触手状の器官が計18本あり、そのうち3本が同時通訳機能を持つという効率的な身体構造を持つ。「地球人の体は機能が少なすぎる。アップデートが必要」とインタビューに答えた。
ディベート当日、会場となった中立ゾーン空間ステーションには、約200人の地球人観客と、ホログラム投影された約5000体の宇宙人観客が集結。予想を覆す展開に、会場は終始笑いに包まれた。
まず佐藤さんは「銀河系の交通渋滞問題」について言及。「UFOの駐車マナーが悪すぎる。特に牛を観察する時、田んぼに無断駐車するのはやめてほしい」と主張し、会場から拍手が沸き起こった。これに対しクリック氏は「我々の星では駐車場所を探すのに平均2.7光年かかる。地球はコンパクトで羨ましい」と応戦した。
さらに議論は「宇宙食」の話題へ。クリック氏は「地球のポップコーンは宇宙一の発明。しかしフレーバーが少なすぎる。我々の星では『中性子星の塩』や『ブラックホールキャラメル』など42種類ある」と熱弁。これに佐藤さんは「日本のご当地ポテチの種類を知らないとは情報収集が足りない」と切り返し、会場を沸かせた。
3時間に及ぶディベートの結果、審査員満場一致で佐藤さんが勝利。「地球の高校生がこんなに論理的だとは」と宇宙側も驚きを隠せない様子だった。佐表彰式では、「銀河系最強弁士」の称号と共に、謎の「宇宙野菜」が贈呈された。
この「宇宙野菜」は一見するとただのカブに銀色の粉をまぶしたものだが、リゼラジオによれば「食べると一時的に重力を操る力が得られる」という。実際に試食した佐藤さんは「味はカブそのものだけど、食べたら30秒くらい浮いた気がする…気がするだけかも」と複雑な表情を見せた。
会場を後にする際、宇宙人観客の一人は「地球人の『コーヒーブレイク』という概念が理解できない。我々は400年間休まず働く」とコメント。一方、地球人観客からは「宇宙人が『推し』という概念に異常な興味を示していた」との報告もあった。
リゼラジオは今回の成功を受け、来年は「銀河系グルメ対決」を企画中だという。佐藤さんは帰り際、「宇宙人も意外と悩みを持っていて親近感が湧いた。でも、彼らが名古屋めしをどう思うかが本当の勝負」と語った。なお、筆者も取材中に「宇宙野菜」をひとかけら口にしたところ、特に変化はなかったものの、帰宅後に飼い猫2匹が一時的に天井を歩く現象が発生。単なる偶然か、それとも宇宙の神秘か、今夜も私は猫のくしゃみを聞きながら考えを巡らせている。