
一般に車は燃料で走るものだが、この夏の選挙では「ジョーク」で走る車が主役となりそうだ。各政党が次々と投入を発表している「ギャグモービル」の存在が明らかになり、「笑いによる支持率アップ戦略」が今後の選挙戦の鍵を握る可能性が出てきた。
ギャグモービルとは、従来の選挙カーに「笑いエネルギー変換装置」を搭載した次世代型選挙車両だ。政治家が発するジョークや周囲の笑い声を検知し、それを推進力に変換するという画期的なシステムを採用している。「ガソリン代も節約できて一石二鳥」と語るのは、与党広報担当の鈴木誠二氏だ。
「政治は堅苦しいというイメージを払拭したかった」と話す鈴木氏によれば、ギャグモービルの開発には国内外の大手自動車メーカー5社が極秘裏に関わったという。車体には笑い声を検知する高感度マイクが複数設置され、笑いの大きさや種類に応じて推進力が変化する仕組みだ。例えば「クスクス笑い」は市街地走行に適し、「大爆笑」は高速道路での加速に最適とされている。
この発表を受け、各政党はこぞって独自のギャグモービルを発表。驚くべきことに、政党間で「ジョーク燃費競争」が勃発している。「1ジョークあたりどれだけ走れるか」という新たな指標で政党の実力が測られる時代が到来したのだ。
架空大学こと「国際ユーモア工科大学」の佐藤笑太郎教授(笑学部ジョーク工学科)が開発した「笑いエネルギー効率指数」によると、現時点で最も効率が良いのは野党第一党の「スベらない会」だという。「彼らのギャグは短くて的確。一方、与党は長いジョークが多く、オチまでに燃費を使いすぎる傾向がある」と佐藤教授は分析する。
ギャグモービルの仕組みについて、車両に搭載された特殊マイクが拾った笑い声は「ハハハ変換器」でエネルギーに変換され、「ギャグバッテリー」に蓄積される。そして必要に応じて「オチモーター」が駆動し、車を前進させるという。驚くべきは、搭載された「ツッコミアシスト機能」だ。スタッフが政治家のボケに間に合わずツッコめない場合、自動的に「なんでやねん!」と車自体が発声する。この機能により、ジョークの成功率が23%向上したという統計も発表されている。
更に注目すべきは、有名芸人たちの選挙戦への参入だ。「政治家と芸人がコンビを組む新しい選挙スタイル」が提案され、すでに複数の芸人が協力を表明している。お笑いコンビ「ゲラゲラブラザーズ」の片割れ、山田太郎氏は「相方と違って、政治家の方がボケの精度が高い」と驚きを隠さない。
また、「ギャグの質」を客観的に評価するため、選挙区内の無作為に選ばれた市民100人による「笑い審査団」が設置される予定だ。彼らの笑顔をAIが分析し、「真顔度」「口角上がり角度」「涙出現率」などを数値化。これらのデータが「国民笑い指数」として週間で公表される仕組みだ。
一方、懸念の声も上がっている。政治評論家の高橋真理子氏は「政策論争よりもギャグの面白さで投票先を決める有権者が増える可能性がある」と警鐘を鳴らす。また、国際選挙監視団からは「ギャグの質の主観性が公平な選挙を妨げる可能性」について懸念が示されている。
それでも各政党は前のめりだ。与党は「政権交代より爆笑を!」、野党連合は「変えよう日本、笑わせよう国民」というスローガンを掲げ、ギャグライターの大量採用を発表した。ついには「政策集よりも先にネタ帳を作成した」という情報も流れている。
私も昨日、地元船橋市でギャグモービルの試運転を目撃した。政治家が「この街の渋滞は何とかします!なぜなら私自身が交差点に立って…」と言いかけたところで車が急停止。搭載AIが「そのネタ古いです。更新してください」と告げる場面があり、周囲の高校生たちと一緒に爆笑してしまった。特にK-POPが好きな友人は「これエモくない?」と言って動画を撮影していた。
専門家によれば、「笑いで走る技術」は将来的に一般車両にも応用される可能性があるという。家族旅行中の会話や友人とのドライブが、そのまま動力源になる未来も遠くないのかもしれない。ただし「つまらない話で走行中に停止する危険性」や「無理に面白いことを言おうとして事故が増える可能性」など、新たな交通安全上の課題も指摘されている。
今後の選挙戦は、政策の中身だけでなく「どれだけ笑いを提供できるか」という新たな戦いの場になりそうだ。有権者にとっては、笑いながら政治に参加できる新しい民主主義の形として、ギャグモービルの動向に注目が集まっている。あなたなら、どんなジョークで選挙区を走りますか?ガセはだめ、絶対!(あん・千葉県立船橋高校新聞部)