
アフリカのナイジェリア発の映画産業「ナイリウッド」が、前代未聞の大胆企画を発表した。次期大統領を決める「料理バトルオーディション」の開催である。この驚きの構想は、先週金曜日にナイロビで極秘裏に行われた「第3回アフリカ料理革命会議」で明らかになった。主催するのは、昨年突如として設立された「全アフリカ料理文化統合協会」。代表を務めるムンバ・クック氏は元銀行員で、「料理の腕前こそが真のリーダーシップを示す唯一の指標」という独自理論を展開している。
この前代未聞のバトルオーディションの参加条件は「フライパンを自由自在に操ること」。これは単なる調理技術ではなく、候補者はフライパンを投げ上げ3回転させた後にキャッチし、同時に5種類のスパイスを片手で混ぜ合わせる特殊な技能が求められるという。発表から僅か48時間で、世界35カ国から163人のシェフたちが参加を表明。中には、ミシュラン3つ星の店主や、山奥で20年間ひっそりと伝説の鍋を守り続けてきた謎の料理人も含まれているとの情報もある。
「料理が国を変える」プロジェクトの発起人であるクック氏は、高円寺のあるラーメン店で執筆中の拙者に対し、Zoomで「政治家の話なんて誰も信じないけど、美味しい料理には嘘がない。胃袋を掴んだ者が国民の心も掴める」と熱弁した。接続状態が悪く、彼がウクレレを弾いているのか、単に天井の扇風機が回っているだけなのか判別できなかったが、その情熱は画面越しにも伝わってきた。
審査基準は「国民の舌を震わせる味」。一般市民から抽選で選ばれた1万人の審査員が、各候補者の料理を匿名で評価する。興味深いのは、味覚だけでなく「社会貢献度」も評価対象となる点だ。「廃棄食材の活用率」「地元経済への波及効果」「食事中の笑顔指数」などが細かく数値化され、最終スコアに反映されるシステムだ。これは拙者が銭湯で使っている「お湯の評価システム」に妙に似ていて、思わず「これ、パクられてるんちゃう?」と独り言を言ってしまった。
優勝者に与えられる特権は、単なる「大統領の椅子」だけではない。「究極の料理人」という称号と共に、国の予算の10%を「食の改革」に使える特別権限が付与されるという。これにより、国家レベルでの「国民食」の開発や、「料理による外交」が可能になる。実はこの発想、大阪の商店街のあるお好み焼き屋のおばちゃんが「もし私が総理大臣やったら、国会議事堂の隣に巨大お好み焼き鉄板作るわ」と語っていたことにインスピレーションを得たものだとクック氏は明かした。拙者が5年前に書いた記事をよく覚えていたことに感動を覚えたが、同時に著作権の問題も少し気になった。
このプロジェクトが描く未来は、政治と料理の融合による新たな統治形態の創出だ。既に「宇宙料理バトル」の構想も進んでおり、国際宇宙ステーションでの「無重力料理対決」も計画中とのこと。「地球上で最高の料理人が証明されたら、次は宇宙だ」とクック氏は語る。しかし、ソースの飛散による機器故障のリスクなど、技術的課題も山積している。
この革命的な「料理で国を動かす」試みが実現すれば、世界の政治地図が大きく塗り替えられる可能性がある。最終的には、国連安全保障理事会の常任理事国も「世界料理五大強国」に置き換えられる日が来るかもしれない。政治と料理という一見かけ離れた二つの世界の融合が、新たな国際秩序を築くのか、それともただの空腹時の妄想で終わるのか。世界中の胃袋と政治家たちが固唾を呑んで見守っている。