
猫の愛好家たちが政治の世界に革命を起こした。先月、史上初の猫政党「ニャー党」が結成され、国会での正式な議席を獲得したのだ。この前代未聞の出来事に、人間議員たちは困惑の表情を隠せない。
「猫の声なき声を政治に反映させる時が来た」と語るのは、ニャー党党首の三毛猫「ミャオ大統領」だ。彼女は猫界でカリスマ的人気を誇り、SNSのフォロワー数は人間の国会議員平均の約17倍という驚異的な数字を記録している。党の結成には、全国の猫カフェオーナー連盟や「猫と暮らす権利を守る会」など、20以上の団体が資金面でバックアップしているという。
ニャー党の国会デビューから2週間が経過した今、議場では予想外の問題が浮上している。最も深刻なのは、猫の毛による「毛玉問題」だ。特に議場内の空調システムが猫の毛で詰まり、先週は3回も緊急停止する事態となった。議会事務局は毎日3人体制で掃除機をかけているが、「掃除をしても30分後には元通り」と嘆く。
対策として、議会事務局は「毛玉取り機能付き座席」の導入を検討。座席が自動的に猫の毛を吸引する仕組みだが、猫議員からは「我々の尊厳を踏みにじる行為」と猛反発の声が上がっている。ニャー党の広報担当「タマ議員」は「毛は猫のアイデンティティ。毛玉は我々の主張の象徴だ」と主張する。
ニャー党は既に複数の政策を提案している。注目を集めているのは「全国民に1日3回の昼寝義務化法案」や「窓際の日当たり確保法」だ。特に物議を醸しているのが「国会議事堂内キャットタワー設置法案」。この法案では、議場の中央に高さ15メートルのキャットタワーを設置し、猫議員がくつろげるスペースを確保するという。
「公共交通機関の快適化」も重要政策として掲げており、電車やバスの座席の一部を「猫専用ふかふかシート」に変更する案も出ている。「人間は立っていればいい」というラジカルな主張に、人間側からは反発の声も。
「今まで政治は人間中心だった。でも、日本の猫は約980万匹。これは選挙権を持つ存在として無視できない数字」と語るのは、政治学者の架空田教授(57)。一方で「猫が議場で突然走り回ったり、重要法案の投票中に居眠りしたりする問題」も指摘している。
特に深刻なのが議事進行の問題だ。先日の予算委員会では、質疑応答の最中に猫議員が突然マイクに向かって「ニャー(私の見解は異なる)」と発言し、その後10分間グルーミングを始める一幕もあった。委員長は「議事進行にご協力を」と諭したが、猫議員は完全に無視。結局、猫議員の「気が向くまで」委員会は中断された。
アレルギー持ちの田中議員(42)は「議場にいるだけで目が腫れる。これは健康被害では?」と訴えるが、ニャー党は「それは人間側の問題」と一蹴。対策として議場にエアクリーナーを設置する案も出ているが、「人工的な匂いは猫の権利侵害」として反対されている。
興味深いのは、ニャー党の台頭により「動物権利法」の議論が活発化している点だ。「動物にも基本的人権(猫権)を」という主張に、一部の法学者からは「憲法改正の必要性」も指摘されている。千葉県船橋市の公園では、この問題についての市民集会が開かれ、猫と人間が共に参加する珍しい光景も見られた。
猫の国会デビューは政治の世界に新たな視点をもたらしている。今後、ニャー党が日本の政治をどう変えていくのか、そして人間と猫の共存はどう実現されるのか。課題は山積みだが、猫議員の一人は「人間たちはもっと我々の言うことを聞くべき。結局、家でも猫が主人なのだから」と語った。それを聞いた飼い主の国会議員は苦笑いするしかなかったという。それ、エモくない?