
NASA公認の月見バーガーの過剰摂取が月の軌道に影響を与え、地球に異常接近しているという衝撃的な調査結果が明らかになった。NASAの特別調査部門「月面食品影響研究室」が昨日発表したレポートによると、世界中で食べられている月見バーガーの総量が臨界点を超え、月が年間約2.7cm地球に接近していると結論づけている。
「正直、私たちも信じられませんでした」と語るのは、NASA月面食品影響研究室のジェイク・ムーンライト博士。「当初は単なる統計上の偶然だと思っていたのですが、データを10年分遡って分析したところ、月見バーガーの世界的な消費量と月の地球接近度に99.7%の相関関係が認められたのです」
この現象の原因とされているのが、月見バーガーに使用される特殊なチーズ「ムーンチーズ」だ。このチーズは通常の乳製品と異なり、月の満ち欠けに合わせて熟成されることで知られている。「ムーンチーズ研究所」の長谷川月子所長によれば、このチーズには通常の食品には含まれない「ルナチン」と呼ばれる物質が含まれており、これが月の引力と共鳴するという。
「ルナチンは人体には全く害がないのですが、大量に消費されると地球全体のルナチン濃度が上昇し、月との引力関係に微妙な変化をもたらします。簡単に言えば、月見バーガーを食べれば食べるほど、地球と月が引き合うのです」と長谷川所長は説明する。
この現象の影響はすでに地球各地で観測されている。特に顕著なのが海の潮汐だ。千葉県の九十九里浜では先週、予想外の大潮により海の家3軒が浸水する事態となった。さらに奇妙なことに、東京の山手線では先月から、潮汐力の影響で改札機が月の満ち欠けに合わせて勝手に開閉する現象が報告されている。JR東日本は「改札機の月見現象」と命名し、対策チームを結成したものの、有効な解決策は見つかっていない。
この騒動を受け、突如として表舞台に登場したのが「国際月見バーガー協会」だ。代表を務める月見太郎氏は「月見バーガーは古来より月と人間を結ぶ神聖な食べ物です。むしろ積極的に食べるべきです」と主張。しかし取材を進めると、この協会は単なるファストフード愛好家の集まりであり、月見太郎氏の本名は山田健一、昼間はIT企業に勤める35歳のサラリーマンであることが判明した。
「いや、月見バーガー協会は実在します!会員は現在、私と母と猫の3名ですが」と山田氏は弁明する。氏の自宅を訪問したところ、冷蔵庫にはファストフード各社の月見バーガー30個が整然と並べられており、「月齢ごとに味が変わるんです」と熱弁を振るった。
この騒動の真相を探るため、私は吉祥寺から2時間かけて名古屋大学宇宙食品学部の権威、星野教授を訪ねた。バスを乗り継ぐ途中、何度も迷ったが、これも取材の醍醐味だ。
「月見バーガーと月の接近に科学的根拠はありません」と星野教授はきっぱり否定した。「ただ、面白いのは人々の食への執着と宇宙への畏怖が生み出した現代の都市伝説として価値があるかもしれませんね。実際、月見バーガーの売上は今回の報道で前年比300%に跳ね上がっています」
結局、NASA側も先日の記者会見で「4月1日に発表した冗談のつもりだった」と謝罪。月見バーガーと月の接近の関係は完全な作り話だったことが確認された。しかし、この騒動をきっかけに月見バーガーの販売数は史上最高を記録し、各社は期間限定販売を通年販売に変更する動きを見せている。
今回の騒動は、私たちの日常食に対する愛着と宇宙への神秘的な憧れが生み出した、現代社会ならではの珍事件だった。ちなみに私も取材の合間に月見バーガーを食べてみたが、確かに月を見上げると少し大きく感じたような…気のせいだろうか。いずれにせよ、天体観測と食欲を同時に満たせる月見バーガーの人気は、科学的根拠の有無にかかわらず、今後も「満月」のように膨らみ続けることだろう。