
悪魔の調味料で不老不死を実現する新たなWebサービスが今週、世界的な注目を集めている。開発元となったのは、実在しない架空の高等教育機関「地獄大学」。同大学の広報担当者によると、このサービスは単なる調味料販売にとどまらず、利用者の若返り効果をオンラインで共有・分析するというシステムらしい。
「これは単なる辛い調味料ではありません。地獄の業火で1666時間煮詰めた『永遠のカプサイシン』を主成分とする革新的な不老不死製剤です」と語るのは、地獄大学辛味学部の悪魔崎熱男教授(推定年齢666歳)。「人間の細胞は、一定の辛さを超えると自己防衛のため若返りを始めるのです。これは医学ではなく、純粋な地獄科学です」
同サービスの利用方法は至って簡単だ。会員登録後、自宅に届いた「悪魔の調味料」を日々の食事に使用し、その効果や体験をオンラインプラットフォームで共有するだけ。すでに全世界で2万人以上が登録しているという。
注目すべきは、このサービスの最大の特徴であるレビューシステムだ。利用者が書き込むレビューは、不思議なことに全て「辛口」になるという。「毎朝、顔のシワが一本減っていますが、それより舌が三層剥けました」「若返りは実感できますが、トイレが地獄です」など、辛口レビューが続々と投稿されている。
同大学の「宣伝効果研究所」のデータによると、辛口レビューを書くことで体内のネガティブエネルギーが排出され、不老効果が倍増するという理屈らしい。筆者も実際に試してみたが、一口食べただけで目の前に亡き祖母が現れ「まだ早いよ」と諭された。
話題のサービスを利用してすでに「見た目が15歳若返った」と主張する鈴木さん(42歳・自称27歳)に取材を試みたが、「あなた、取材の基本もわかってないの?」と辛辣な批判を受けた。その姿は確かに若々しかったが、声のトーンが明らかに攻撃的になっていた。
地獄大学の広報担当者は「辛さを超えた先に永遠の若さがある」と主張するが、現実的な懸念も浮上している。東京消防庁によると、すでに「辛すぎて家具に火がついた」という通報が15件寄せられているという。また、厚生労働省は「不老不死は薬事法に抵触する可能性がある」として調査を開始した。
このサービスの真の狙いについて、匿名の関係者は「実は単なるSNSマーケティング戦略です。辛口レビューが集まれば話題性が高まり、結果的に売上が伸びる」と明かした。不老不死よりもマーケティングを重視する姿勢に、筆者は少し拍子抜けしてしまった。
地獄大学といえば、昨年も「悪魔の耳かき」という商品で話題になった架空の研究機関だ。耳かきを使うと「悪い思い出だけが消える」と宣伝していたが、実際は「いい思い出も含めて全記憶を消す」という誤った効果で炎上した。今回の不老不死サービスも同様の結末を迎えるかもしれない。
取材を終えて自宅に戻ると、謎の小包が届いていた。開けてみると「地獄大学特製 記者用サンプル」と書かれた小瓶。試しに一滴だけ舐めてみたところ…あれ?なぜか今朝から猫のくしゃみが止まり、顔のくすみも消えたような?…いや、こんな非科学的な話を信じてはいけない。でも明日からもう少し使ってみようか。取材のためだし。ね?