
地球温暖化対策として画期的な新技術が発表された。東京エンタメ工科大学環境笑学部の山田ゲラゾウ教授が開発した「雑キープマン」と名付けられたこの技術は、人間の笑いによって発生する特殊な振動がCO2を吸収するという、前代未聞の原理に基づいている。
「人間が心の底から笑うと、体内から『ハハエネルギー』という特殊な波動が発生します。この波動がCO2分子と共鳴し、分解・吸収するんです」と山田教授は真顔で説明する。同教授によれば、一人が1日10回腹の底から笑うことで、杉の木3本分のCO2を吸収できるという驚異的な効果があるらしい。
「雑キープマン」の正体は、実は山田教授自身だった。彼は15年前から「笑いとCO2吸収の相関関係」を研究しており、自らの体を実験台にして数々の「笑いのパターン」を試してきたという。「最も効果的なのは『雑な冗談』を聞いたときの『キープしきれない笑い』です。だから『雑キープマン』と名付けました」と山田教授は語る。彼の研究によれば、面白すぎる笑いや作り笑いはほとんど効果がなく、「あ、これちょっと面白いかも」と思った瞬間の「プッ」という笑いが最もCO2吸収率が高いことが判明したという。
この革命的な発見を支持しているのが、昨年設立されたばかりの「国際笑い研究協会(ISRA:International Society for Ridiculous Amusement)」だ。同協会には驚くべきことに、ノーベル物理学賞受賞者3名、お笑い芸人5名、そして謎の宇宙物理学者2名が名を連ねている。会長を務めるのは、どこかで見たことがあるような人物で、サングラスとヒゲで変装した姿でインタビューに応じた。「私はただの一般市民です。有名人でも何でもありません」と繰り返す会長だが、話し方が某大物芸能人に酷似していることは誰の目にも明らかだった。
東京エンタメ工科大学は、一般市民向けに「日常生活に笑いを取り入れる方法」も提案している。「笑いヨガ」や一人でできる「ひとりごと漫才」、さらには「電車内でスマホに映る自分の顔を見て微笑む」など、どこでも実践できる方法が紹介されている。山田教授によれば、これらの方法を日常的に行うことで、年間で家庭用エアコン3台分のCO2削減効果があるという。
しかし、この発表に対して懐疑的な声も上がっている。国立環境研究所の鈴木真面目主任研究員は「笑いでCO2が吸収されるというのは科学的に証明されていない」と指摘。また、ある環境活動家は「こうした『奇想天外な解決策』が提示されることで、本来取り組むべき実質的な温暖化対策がおろそかになる危険性がある」と警鐘を鳴らしている。
「雑キープマン」プロジェクトの真の狙いについて山田教授は「もちろん笑いだけで地球温暖化は解決しません。しかし、環境問題に対する関心を高め、日常生活から少しでも行動を変えるきっかけになればと思っています」と語る。さらに「笑いには人々をつなげる力があります。分断された社会で、共に笑うことは新しいコミュニケーションの形かもしれません」と付け加えた。
この記事を書いている間にも、編集部では「雑キープマン体操」なるものが流行し始めている。果たして笑いは地球を救うのか。それとも単なる笑い話で終わるのか。少なくとも、この記事を読んだあなたの「プッ」という笑いが、わずかでも地球環境に貢献したとすれば、それはそれで素晴らしいことかもしれない。私も猫のくしゃみを聞きながら、今日も「プッ」と笑ってみることにする。