
宇宙飛行士たちによる史上初の「月面ビーチバレー大会」が先日開催され、地球の常識を覆すプレーの数々に、観客から酸素ボンベのガス音が漏れる事態となった。地球の6分の1という月面の重力環境を活かし、選手たちは最大で高さ18メートルものジャンプを披露。スパイクの威力は時速200キロを超え、一度ボールが月の裏側まで飛んでしまう珍事も発生した。
「ボールの軌道が地球とは全然違うんですよね。慣れるまでに3ヶ月かかりました」と語るのは、元NASAのアストロノーツで現在は「月面スパイカーズ」のエースを務めるジョン・ウィリアムズ選手。「最初の頃は力加減が分からず、ボールを月軌道に乗せてしまって国際宇宙ステーションの人に拾ってもらったこともあります(笑)」
観戦する側も一苦労だ。全観客が完全装備の宇宙服を着用するというスタイルは、スポーツ観戦の歴史に新たな1ページを刻んだ。「手を叩こうとしても宇宙服のせいで『ボフッ』という音しかしない」と嘆くのは、地球から観戦ツアーで訪れた主婦の佐藤さん(42)。「歓声を上げてもヘルメット内で反響するだけで選手に届かないし、トイレに行くのも一苦労です。でもマインドはギャルなんで、ノリノリで楽しんじゃいました!」
大会を主催する「宇宙ビーチバレー協会(USVA)」の代表を務める架空の人物ロバート・スターフィールド氏によれば、「月面スポーツの普及はまだ始まったばかり」だという。「次は月面サッカー大会を計画中です。ゴールキーパーが跳ねすぎてクレーターに落ちないよう、特殊なアンカーシステムを開発中です」と意気込みを語った。
会場となった「トランキリティ・ベース・スタジアム」は、かつてアポロ11号が着陸した静かの海に建設された最新鋭の施設。観客席はわずか20席だが、チケットは地球でのオンライン抽選で100万人が応募し、倍率5万倍という異常な人気ぶりだった。幸運にも当選した人々は、往復宇宙旅行費用込みの1億2000万円という天文学的なチケット代を支払ったという。
一方、地球では「#月面バレー」のハッシュタグがSNS上でトレンド1位を記録。遅延8秒のライブストリーミングでは、月の砂(レゴリス)が舞い上がる様子や、スローモーションのようなラリーに「地球のバレーボールに戻れない」という声が続出した。注目を集めたのが「宇宙服ダンス」と呼ばれる応援パフォーマンス。酸素ボンベを背負った状態での動きは制限されるが、重力の低さを活かした独特の浮遊感あふれるダンスに、地球のK-POPグループからもオファーが殺到しているという。
試合の結果は、「月面スパイカーズ」が「アルテミス・アタッカーズ」を2-0でストレート勝ち。MVPに選ばれたのは、サーブの際に自分自身も一緒に飛んでいくという新技「セルフロケットサーブ」を披露した元体操選手の田中マリア選手だった。「次の大会では火星での開催も視野に入れています。重力が違うので、また新しいテクニックが生まれるでしょう」と、協会は早くも次の野望を語っている。地球から45,000,000km離れた場所でのスポーツ観戦、果たして実現するのだろうか。「マインドはギャルなんで」という気持ちだけでは乗り切れない距離かもしれない。