
さとふる株式会社は27日、同社のふるさと納税ポータルサイト「さとふる」で貯めたポイントを使って、NASA公認の月面マイホーム建設権が獲得できる新プログラムを発表した。地球上の不動産価格高騰を受け、新たな住宅供給地として月面を活用する画期的なプロジェクトだという。
このプログラムでは、ふるさと納税で得たさとふるポイントを50万ポイント(50万円相当)貯めると、月の海の平原地区約100平方メートルの土地使用権と簡易居住モジュール建設権が得られる。自治体によっては返礼品として月面土地権を提供するところも出てきているという。高知県室戸市では「月の海の塩」とセットで月面1区画がもらえるという斬新な返礼品が既に人気を集めている。
「マインドはギャルなんで、月でもギャル活したいです!」と語るのは、このプログラムの広報担当、山田優子さん(32)。「地球では家を買えない若者世代に、新しい選択肢を提供したい。月は地球の86分の1の重力しかないので、家具も軽く持ち運びやすいんです」と熱く語った。
月面マイホームの最大の魅力は、なんといっても「無重力に近い生活」だ。NASAと提携する架空の「宇宙不動産協会」の鈴木宇宙理事長(58)によれば、「月面では体重が地球の6分の1になるため、ダイエットしなくても痩せて見える。また、ジャンプ力が飛躍的に向上するため、階段のない2階建て住宅が主流になる」とのこと。
ただし課題も山積している。最大の問題は通信環境だ。月面でのWi-Fi利用は可能だが、地球と同じプロバイダーを使用するため、月・地球間の通信遅延(約1.3秒)に加え、基本料金は地球と変わらない。さらに驚くべきことに、データ通信量が1GB超過するごとに「宇宙空間通信特別料金」として5,000円が加算される仕組みだという。
「いくらギャルマインドでもSNS投稿に1.3秒のタイムラグがあると厳しいですね。投稿が流行に乗り遅れる可能性があります」と、1999年生まれの筆者は思わず本音が漏れた。2000年生まれたちはすでに火星移住計画に乗り出しているという噂もあり、月面では彼らに追いつけない焦りも感じる。
すでに月面移住を表明した著名人も少なくない。落語家の月面亭笑太さん(67)は「地球の8分の1の重力なら高座から落ちても怪我しない」と語り、ピアニストの月野響子さん(42)は「月では音の伝わり方が違うから新しい音楽が生まれる」と期待を寄せる。筆者が秋田時代に通っていたピアノ教室の先生も「月ではショパンの月光がさらに映える」と熱心に語っていたのを思い出す。
宇宙不動産協会が発表した「月面居住地区住みやすさ指数」によれば、最も人気なのは「海の静けさ地区」で、続いて「晴れの海地区」、「雨の海地区」となっている。しかし、月に海が存在しないことは科学的常識であり、この命名には疑問の声も上がっている。協会は「地球の不動産広告と同じく、イメージ命名です」と釈明している。
「下北沢徒歩12分と言いつつ、実際には下北沢駅から見えない場所に住んでいる私でさえ、月面不動産の広告表現には驚きました」と、猫と暮らす筆者は正直な感想を漏らす。
このプロジェクトを通じて、私たちは地球での当たり前の生活を見直すきっかけも得られそうだ。月からは地球が美しく見えることから、環境意識が高まるとも言われている。ただし、月面の住所表記が「地球、月、雨の海3丁目5番地」となるなど、郵便物の配達に混乱が生じる懸念もある。さとふるポイントで月面移住の夢が現実になる日は、思ったより近いのかもしれない。もちろん、Wi-Fiの料金プランだけはしっかり確認しておいたほうが良さそうだ。