名古屋市の田中佑樹選手(28)が、国際空想競技連盟(IFIS)主催の第1回エア・チェス世界選手権で金メダルを獲得した。エア・チェスは、空中に想像上のチェス盤を展開し、「風の流れ」を読みながら駒を動かす新しい知的スポーツ。選手は専用の「風読みグローブ」を装着し、空気の流れを感じ取りながら対戦を行う。
決勝戦では、ロシアの天才エア・チェスプレイヤー、イワン・ウィンドスキー選手との激闘を制した。勝負を分けたのは、名古屋城の金のシャチホコ付近で幼少期から風と戯れていた田中選手特有の「風読み」の技術だった。「名古屋の突風は、時にモーニングサービスよりも激しい。あの経験が今回の勝利につながった」と田中選手は振り返る。
エア・チェスのルールは一見シンプルだ。選手は互いに向かい合い、空中に想像上の8×8マスの盤面を展開。駒の動きは従来のチェスと同じだが、各ターンで「風力ポイント」を消費しながら駒を動かす必要がある。風力ポイントは会場に設置された16台の扇風機によって生成され、その風向きと強さを読み取る能力が勝負の鍵を握る。
国際空想競技連盟のジョン・ドリームウェル会長は「田中選手の風を読む力は驚異的です。特に、エアコンの風すら戦略的に活用する姿には度肝を抜かれました」とコメント。実は田中選手、高校時代は将棋部の顧問に「空気を読めない」と言われ続けていたという皮肉な過去を持つ。
大会の成功を受け、アマゾンでは早くも「家庭用エア・チェスセット」の予約受付が開始。セットには扇風機型風力発生装置と、対戦相手の「存在を感じる」専用VRゴーグルが含まれる。また、エア・チェスの練習場として、全国の地下鉄構内の通風口付近が注目を集めているという。
田中選手の快挙に触発され、各地でエア・スポーツの開発が加速している。エア・相撲やエア・卓球など、次々と新競技が誕生。2024年のパリ五輪では、エア・チェスのデモンストレーション競技としての採用が検討されているという。ただし、強風時の競技中止基準や、くしゃみによる風力攪乱への対策など、課題も山積している。
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