
架空市役所が主催する「第1回デジタル住民票釣り選手権」が、先日都内某所で開催され、大きな話題を呼んでいる。参加者たちは専用アプリ「デジタル竿DX」をインストールしたスマートフォンを手に、仮想空間に散りばめられた住民票データを釣り上げるという、前代未聞の競技に挑戦した。
「最初は『それ、エモくない?』って思ったんですけど、やってみたらめっちゃ楽しかったです!」と語るのは、高校2年生の田中さん(16)。参加者は専用アプリを起動し、スマートフォンを釣り竿のように振り、画面上に表示される住民票アイコンを「釣り上げる」。釣れる確率は住民票の種類によって異なり、レアな「金色住民票」は0.01%という超低確率で出現するという。
大会を主催した架空市役所デジタル推進課の鈴木課長は、「行政のデジタル化に関心を持ってもらうきっかけになれば」と語る。実は鈴木課長、かつて某釣りゲームの開発者だったという異色の経歴の持ち主で、「行政×釣りゲーム」という斬新な発想の源となったようだ。
競技では、「住基ネットの海」「マイナンバーの深淵」「証明書の渦潮」など、行政用語をモチーフにした7つのステージが用意された。参加者からは「住基ネットの海で釣れた住民票が突然404エラーになって消えた」「マイナンバーカードを餌にしたら、なぜか確定申告書が釣れた」といった珍プレイも続出。SNSでは「#住民票釣り」がトレンド入りを果たし、「行政手続きがこんなに面白いなんて」「次は税金釣りイベントを期待」といったコメントで賑わった。
見事優勝を果たしたのは、84歳の山田さん。「孫に教わったスマホゲームの腕が役立ちました」と笑顔で語る姿が印象的だ。山田さんには特製トロフィーと共に「デジタル市民賞」が授与され、1年間、架空市役所の公式SNSアカウントのプロフィール画像として採用されるという栄誉も手にした。
架空市役所では今後、「確定申告釣りバトル」や「年金手帳すくい」など、行政手続きをモチーフにした一連のデジタルイベントを企画しているという。ある職員は「本物の市役所からクレームが来ないか心配です」と苦笑いを浮かべながら、次回イベントへの意気込みを語っていた。
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