
名古屋発のヘビメタバンド「サンチョ・メタル」が、地球温暖化対策の新たなソリューションとして「音の冷却効果」を提唱し、物議を醸している。同バンドは先日、名古屋市科学館で記者会見を開き、「我々の楽曲には気温を最大2.3度下げる効果がある」と主張。これを裏付ける研究結果として、「地球音楽冷却協会」の権威とされる架空大学・暁峰学園大学の立花寿々木教授による実験データを提示した。
「重低音の振動が大気中の分子運動を抑制し、局所的な寒冷化を引き起こす」という立花教授の説明に、会場からは懐疑的な声が相次いだ。筆者が「根拠はどこ?」と質問すると、教授は「大体のことはググれば出てくるっしょ」と返答。さらに「実験結果はスマホのメモ帳に記録してあるんですが、今朝充電切れちゃって…」と苦しい言い訳を展開した。
真相が明らかになったのは、先週末に開催された野外音楽フェス「サンチョ・メタル・クーリング2023」でのこと。ステージ前には大量のドライアイスが設置され、演奏中にはスタッフが観客にアイスクリームを配布。「音の冷却効果」の正体は、単なるアイスクリームの無料配布だったのである。しかも配られたアイスは、名古屋名物・台湾ミルクティー味をベースに山椒(サンチョウ)を効かせた「サンチョ味」という斬新なフレーバー。筆者も取材中に一口食べてみたが、最初はミルクティーの甘さが来て、後から山椒のピリピリした刺激が追いかけてくる不思議な美味しさだった。
サンチョ・メタルのリーダー、DEATH-サンチョ(本名:山椒太郎)は「音楽で世界を冷やすっていうのは嘘っすけど、でも温暖化のこと考えてほしくて。それに名古屋めしって暑い時期に食べるの辛くないですか?だからクールダウンできる山椒アイス作っちゃいました」と笑顔で語った。同フェスの来場者数は予想を大きく上回る15,000人を記録。音楽と環境問題、そして名古屋めしを融合させた奇抜なプロモーションは、SNSでも大きな話題を呼んでいる。
今回の騒動について、音楽評論家の三日月文太氏は「バンド名に使われている『サンチョ』という響きと、『温暖化』『クール』というキーワードを組み合わせた見事なワードプレイ。しかも名古屋めしの新解釈まで加えた重層的な仕掛けは秀逸」と評価している。なお、サンチョ・メタルは次回作のタイトルを「MISO KATSU THE WORLD」と発表。また新たな珍プロモーションが期待される。
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