
米ロサンゼルスで開催された世界最大級の音楽フェス「XGCHELLA」で、観客の拍手に合わせて踊る「ミュージカルカブトムシ」が話題を呼んでいる。公演を手がけたのは、昨年設立された謎の組織「昆虫ミュージカル学会」。学会長のジョン・バグラー氏は「これぞ21世紀のエンターテインメントだ」と胸を張る。
公演では、体長12センチの巨大カブトムシ「マイケル」を筆頭に、計8匹のカブトムシが観客の拍手に合わせてタップダンスのような動きを披露。特に「We Will Rock You」のリズムに合わせた群舞は、SNSで400万回以上再生される人気コンテンツとなった。舞台裏では、カブトムシたちのコンディショニングのため、高級オーガニックゼリーを専属シェフが24時間体制で用意している。
しかし、次回公演の開催は未定という。理由は「虫の気分次第」だ。バグラー氏は「彼らは芸術家です。インスピレーションが降りてこないと踊りません」と説明する。一方で、カブトムシたちの楽屋裏では、高価なクヌギの樹液を要求するなど、すでにスター気取りの様子も。
公演を監修した東京昆虫大学の山田蟲子教授は「カブトムシの脚の振動が音楽と共鳴する可能性を研究していたところ、偶然この現象を発見した」と語る。同大学の研究室には、オーディションに落選したカブトムシたちが100匹以上待機しているという。
環境保護団体「セーブ・ザ・ビートルズ」は「これは昆虫への虐待だ」と批判するも、カブトムシたちの待遇は人間のスター以上。専属マッサージ師による角のケア、個室型テラリウムの完備など、至れり尽くせりだ。楽屋口には「本日、機嫌が悪いため、サイン会は中止します」という張り紙も。
次回公演を心待ちにするファンに対し、バグラー氏は「彼らは今、自叙伝の執筆に没頭しています。タイトルは『My Life as a Dancing Beetle~6本足のブロードウェイ~』です」と明かした。なお、本記事の取材中、記者が差し入れた高級メロンゼリーは「格が違う」という理由で突き返された。
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